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bloggerを複数担当者で投稿(更新)するウェブサイト作りに使い始めて気づいた点

アカウントについて
  • 画像は各担当者のアカウントのpicasaに保存される
  • picasaの無料の容量は1GB(2011-8-23現在)だが800×800ピクセル以内の写真や15分以内の動画はカウントされない
  • 写真のアカウント間での移動方法はあるようだが、先のことを考えるとウェブサイト作り専用のアカウントを作って各担当者に使ってもらうのが良さそう
エディタについて
  • エディタの機能は必要最小限(pタグや見出しタグすら使えない)
  • html編集画面で編集しても通常エディタ画面にするとタグが消えてしまい面倒なことになる可能性が大きい
  • リンクのない画像(imgタグ)が作れない。画像にaタグが必ず付いてしまう
  •  ページ内リンクしにくい
ファイル名について


雪山に行こう

岩、沢、雪山を楽しむにはまず基礎技術、知識の習得が肝心。バリエーションルート初心者用にテキストを作りました。一般的な登山に関する知識をすでに持っている方が対象です。
H12.11.14~12.17 BAC MLより(H14.4月改訂)

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その1下着・中間着編
そろそろ紅葉も終わるころ、穂高は既に雪がついているころです。さあ幽玄の世界に一歩入れば貴方も既に「こちら側の人」(^^; まずは下着・中間着について、冬に限ったことではありませんが、レイヤードが基本です。雪山では暑い寒いが極めて極端に現れます。重い荷物を担いで麓を登っているときは春秋と同じように汗をかきます。そして休憩時には背中に寒気が襲ってきます。実際の行動中は下半身を暖かくして、寒暖は上半身の重ね着で調整します。雪山では風が吹くと恐ろしく寒いので注意が必要です。
今は乾きの早いハイテク下着が安価に手に入りますので、下着にはいいものを買いましょう。あまり厚くないほうが幅広く使えると思います。下着はシャツ・パンツ・ロンジョンの3点セットが必要です。言わずもがなですが、木綿は絶対に不可です。中間着はウールやアクリルなどのシャツやスウェット、下はやはりウールかフリースのロングパンツ。
そしてさらにセータですが、いまはポリエステルのフリースが一般的です。自分の耐寒性を把握していない人は不安でしょうが、必要以上に枚数を持っていくのは荷物を重くするだけです。それよりはいい素材のものを買った方がいいと思います。お金には限度がありますので予算配分を考えなければなりませんが、廉価店の\980フリースとポーラテックPOLATECとではやはり暖かさは違います。フリースのセータは必ず襟の高いものにしてください。頭からかぶるプルオーバよりも前がジッパーで完全に開くものの方が寒暖の調整に幅があります。
寒気は剥き出しになった頭・首筋から侵入します。スキー帽、目出帽、ネックウォーマの3点があればかなり風があっても対処できます。筒状のネックウォーマは歩行中暑い時などには頭にかぶれば、耳は保温して頭のてっぺんから放熱するのでなかなか便利です。
最後に服装とは関係ありませんが、冬はどうしても荷物が多くなります。いまのうちからトレーニングをしておくことをお勧めします。山に行ければ一番いいのですが、普段からエレベータを避けて階段を登ったり、荷物を増やして歩いてみたりして筋力をつけた方が余裕のある山行ができます。少し筋力が付いたら自分が安定して歩ける荷物の限度を把握しておきましょう。

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その2 アウター編
アウターウェアのお話です。アウターシェルという言い方もありますね。つまり外からの風雪から身を守る貝殻のイメージですね。
今は多くの種類のテクニカル・ジャケットがあふれています。比較的価格がいいものはほとんどGORETEXを使っていると思います。このクラスであればほぼ安心です。中綿などが入ったものは中級山岳では暑いことが多いので、避けた方が汎用性は広いです。脇下がジッパーで開くようになっているものは汗を放散し、温度調整が楽です。とにかく行動中ずっと着ているか持っているものですから、重さにも注意を払ってください。
防水透湿素材はGORETEXのほかにもいろいろありますが、機能的には十分だと思います。スペック上多少透湿性が低くても胸元を開けるなどこまめに調整することの方が重要と考えます。
GORETEXを使った雨具を持っている人はそれで十分だと思います。ただ厚着になりますので大きさが十分かどうか、事前にチェックしてください。
GORETEX雨具を嫌って専用ヤッケを使う人もいるようです。理由は蒸れですが、逆に雨に対する不安はあると思います。麓では雨や霙(みぞれ)になることは結構あります。
ちなみに雨や霙は雪よりも性質(タチ)が悪いです。体がどうしても濡れてしまう。夏山秋山で疲労凍死するのはほとんどこのパターンです。濡れには十分気をつけましょう。
これからジャケットなどを買われる方は頭にかぶるフードに注意してください。帽子をかぶってかつ十分に頭・顔を覆えるものが望ましいと思います。風が強いときなどフードで顔が凍るのを防ぐことができます。この辺の話は今泉さんからフォローを期待します。
色は雪に映える色の方が無難ですが、好みで決めていいでしょう。

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その3 冬用山靴編
雪山と他の季節の山で何が違うか。これはもう靴でしょう。
夏山用のトレッキングシューズでは雪山には歯が立ちません(雪の少ない場所のスノーハイクはOKかも)。
基本的には2つに分けられます。
  1. プラスティック・ブーツ
  2. 冬用革靴
プラブーツは堅く防水性を持つシェルと、保温性を担うインナーシューズから成っています。一般的にシェルが堅いため、雪のない道では歩きづらいです。保温性は抜群ですので登攀やラッセルの可能性がある雪山には欠かせません。
反対に冬用革靴はなじむため歩きやすいです。今では皮靴も多様になって「昔ながらの重登山靴」、「冬も使えるトレッキングシューズ」「ハイテク素材のテクニカルシューズ」など多様です。
「冬も使えるトレッキングシューズ」について少し説明します。このクラスではヴィブラムのクルーザスという靴底を使っているものが多いです。 ヴィブラムはご存知イタリアのゴム底メーカで、昔の鋲靴に変わって合成ゴムの靴底を山靴に普及させた功労者です。ビジネスシューズなどにも軽くて快適な靴底として有名です。さて、クルーザスですが、もともとアルプスの氷河歩きを想定して開発されたようです。当然雪に対する滑り止め機能はOKです。また、画期的なのがつま先に溝をつけてワンタッチアイゼンの装着を可能にしていることです。底にはプラスチックのシャンク(従来は鉄の板)が入っているので撓りは抑えられています。このクラスは保温性はそれほど高くないので、行動の停止時には冷えることは否めません。もっともラッセルを伴うような計画でなければ運用しだいで十分使えます。もちろん夏山でも重登山靴として使えますので、冬山の頻度が少ない人はこのクラスがコストパフォーマンスはいいです。クルーザスを使ったモデルはアクのアイガーGTX、シリオの760、ザンバランのチェロトーレなど。クルーザス以外にもやはりハンワグやローバなどにもヴィブラム底でワンタッチアイゼンの付く革靴があります。
「ハイテク素材のテクニカルシューズ」はケイランドやテクニカに代表される新素材を使った新しい靴です。一般に保温材としてシンサレートを使用し、ものによっては皮の代わりにケブラーなどの高張力素材をアウターに使っています。これらはほぼ冬専用とみなすべきでしょう。
これから雪山用の靴を買おうと思っている方は「【絶対に】ワンタッチアイゼンが付けられる靴」にしてください。アイゼンをバンドで締めることは雪山ではかなり厄介です。手袋をはずすわけにはいきません。うまく締めたつもりでも歩行中に外れる例は当会の山行でも散見されています。危険でもあります。さらにアイゼンバンドで締め上げようとすると血行が悪くなる可能性もあります。
さて生活面の知恵ですが、プラブーツの場合テント内ではインナーをはずしてテントシューズとして使います。シュラフの中に入れて寝て、朝起きたらすぐに履きます。これで足を冷やさずにすみます。
革靴の難点は朝の冷たさです。テント内は氷点下になりますので靴をテント内においても凍ります。これは非常に辛いし、少なくとも歩き始めて20分くらいは足先は凍ったままでしょう。これを防ぐには靴ごとシュラフに入れて寝ます。そのための布袋くらいは用意しておきましょう。朝になったらそのままシュラフに入れておきます。朝食後にシュラフから出してすぐ履きます。あるいは起きたときにすぐ靴を履いてしまいます。
手入れですが、プラブーツは汚れを拭く以外は手入れ不要です。ただし、プラスチックの変形を避けるため、薬品や溶剤などから隔離してください。ナフタリンなどの防虫剤も避けた方が無難です。皮靴の場合は手入れに気を使う必要があります。皮が堅い場合にはオイルを塗りますが、柔らかくなりすぎないように注意してください。最初から柔らかい靴の場合はビーワックスの方がいいです。これは蜂のワックスがベースで防水性を向上させます。常温ではグリス状ですが、寒冷になるとロウとなって皮を保護します。SnoWaxなどの商品名で売ってます。ヌバック(裏皮)にも使えますが、塗ると色は黒くなって表皮のようになります。
冬靴を買ったら、一緒にアイゼンとロングスパッツも買いましょう。この件は別項に。 「岳人」や「山と渓谷」には毎年12月号には「冬山用具のアドバイス」が特集されてます。最新の山道具情報はこれら雑誌も参考にしてください。

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その4 アイゼン編
さていよいよアイゼンです。言葉の由来はドイツ語のSteigeisen からきているようです。中国語では主体具愛染(冗談だよ)。フランス語英語ではCrampon クランポンですよね。
種類としては大きく分けて3つほどあります。
  1. 12本爪。前爪が2本大きく突き出しており、堅い雪や氷などに蹴り込めるようになっている。
  2. 軽アイゼン6本または4本爪。前爪無し。靴裏のほぼ全面をカバーしている。
  3. 簡易アイゼン。4本爪など。軽登山靴の土踏まず部分につけるもの。
 ブロッケンの皆さんは当然1)12本爪を購入しましょう。(足の小さい人は10本でも可) 2)3)は夏の雪渓や登山道しか役に立ちません。3)は冬の低山の緊急用には意味があるでしょうが、グリップ面積が狭いので使い方も難しいです。 以下前爪が出た12本爪のアイゼンを前提に話を進めます。靴のところで申しましたように靴が対応していればワンタッチアイゼンを選んでください。 ワンタッチアイゼンにも止め方が2種類あります。前の止具が鉄のリングになって靴のコバに引っ掛けるものと、前がバンドになっていて後ろ側のレバーから出たバンドで締めるものとがあります。ワンタッチアイゼンが付く靴であればどちらでも使えます。後者は特に皮靴で比較的柔らかめのもの(シャンクがあまり堅くない)に有効と言われています。どこの登山店にもおいてあるシャルレのスーパー12ラピッドフィックスを例にとればFIL(プラブーツ)、ベルト(プラブーツ、ハードソールの皮靴)とあり、ラピッドフィックスでない(ワンタッチでない)ものもあります。 アイゼンには用途として、縦走用と氷壁用の2種類があります。 後者はアイスクライミング専用で、前爪はピッケルのピックのようにギザギザの縦爪になっているものが多いです。雪を登れないわけではありませんが、前爪のせん断力が大きすぎて雪を切ってしまいがちです。一般の雪山用としては縦爪のモデルは避けるべきでしょう。それに縦爪は岩などが混じると磨耗が激しいです。基本的にはアイスクライミング用は別にすべきでしょう。 縦走主体だけどアイスも少しやってみたいという方にお奨めなのが、シャルレのブラックアイスだと思います。前爪は横爪で2列目の爪が前方に出ているので氷での安定性もいいです。中間的ですけど。 しかしながら自然が相手ですので必ずしも分けられるものではありません。縦走であっても氷が出現する場合もあれば、逆に氷のルートで雪壁が出現する場合もあるのです アイゼンの例 クリックしてください。いろんなアイゼンがでてきますよ。

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その5 ピッケル編
次はピッケルです。まず部分の名称から。
  • シャフト:長い棒の部分
  • 石突き:【スパイク】【スピッツェ】ともいう。シャフト先端の尖った部分
  • ヘッド:ブレードとピックからなる頭部
  • ブレード:雪を削るための斧の刃になっている部分。アッズともいう
  • ピック:ブレードの反対側の刃の部分。ギザギザの刻みがついている
雪山登山の象徴的な道具ですが、急登ややせ尾根のないコースでは意外と必要ないんですよ。雪質や周りの状況で一定ではありませんが、ピッケルが必要かどうかの判断はこのように考えましょう。
「スキーで滑れればピッケルは要らない。滑るのに危険を感じればピッケルは必要。」

杖としての機能について言えば、樹林帯の登山道や滑落の危険のない平坦な坂くらいではむしろストックの方が使いやすいです。極論すればストックでは間に合わないからピッケルが必要なのです。そのような場所は夏はハイキングルートであっても冬は一部クライミングの分野となるわけです。つまり、手がかりが必要 →ピッケルを雪面に打ち込む。
長さの基本はヘッドを手にぶら下げて踝(くるぶし)程度です。長めが好みでも地面を引きづらないようにしてください。長すぎると腕を常に挙げておかなければなりませんから負担になります。特にピッケルが本当に必要になる急登では必要以上に腕を上げなければなりません。反対に下りではやや長めの方がいいのですが、慣れればそれなりに使えるようになります。
初心者は若干長めの方がいいと言われますが、いつまでも初心者でいるわけはないです。慣れてくると必ず長すぎると感じるようになってきます。「ちょっと短いかな」と感じるくらいでいいと思います。当然身長によって異なりますので長さで論じるのは適当ではありませんが、参考までに;私は身長170cmですが、ぶら下げて地面に届かない長さは70cmまでです。実際には縦走用としては 55cmから65cmくらいが使いやすいように思います。
杖以外のピッケルのメイン機能は2つ。
  1. 雪面でのアンカー
  2. 滑落停止
技術の詳細は別の機会に論じますので今日は割愛しますが、雪壁を登るときも滑落停止にも長すぎるものは取り扱いがしにくいといわれています。 今のピッケルのシャフトはほとんどがアルミ合金でできており、強度も十分です。木製のものもレプリカとして売っていますが、重いし、命を託すには強度的に不安です。ピックは鋼鉄製のものにしましょう。まれにアルミ合金製のものがありますが、強度的には不安です。もちろん山行内容によっては十分使えるでしょう。
ピッケルバンドは必ずつけます肩に襷(たすき)状につける方法と手首につける方法があります。それぞれ利点欠点があるのですが、好みの方法を選んでください。肩に掛ける方法は頻繁に左右の手に持ち替える場合には便利です。私の場合はあまり持ち替えをしませんので手首につけています。スリングで肩掛けバンドを作り、カラビナでリストバンドと繋げば状況に応じて使い分けられます。
さてピッケルを選ぶときはあまり重いものは避けてください。行動中はずっと持っているかザックについているわけですから。例としてシャルレのグロットなんてのはヘッドが研磨されていてカッコいいんですが、いかんせん重過ぎます。私のお勧めとしてはコストパフォーマンスと軽さとカッコよさから、シモンのマスタング、カマロEX、フェネックあたりはいかがでしょうか。実売で\13,000から10,000くらいです。これはあくまで筆者の好みですよ。
ピッケルの例
上記URLを開きピッケルをクリックしてください。
氷壁には専用のピッケル・バイルがあり、ピックなどを交換して兼用できるものもあります。ここでは割愛します。

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その6 幕営具編
今回は幕営に必要なものです。
1)シュラフ Sleeping Bag 4シーズン用のシュラフが基本です。これから購入するのであればダウン(羽毛)のものにしましょう。化繊のものはコストは抑えられますが、どうしても重くなるし、嵩張ります。4シーズン用ではほとんどが「ボックス縫い」か「瓦葺き構造」と呼ばれる縫い目からの放熱が少ない構造になっています。羽毛量だけでなく、この点にも注意してみてください。目安としては-15か-20℃対応であれば十分です。
既にお持ちの3シーズン用を生かすのであれば、夏専用の薄いダウンシュラフやインナー(モンベルなどにあり)を重ね、シュラフカバーを使えばよほど寒いところを除けば対応できると思います。 2)シュラフカバーSleeping Bag Cover
GoreTexのものが全盛です。冬とはいえ、結構汗をかきますので防水透湿性のものがよいでしょう。第一の目的は濡れの防止です。羽毛は濡れにはあまり強くありません。冬のテント内では天井から霜が降ってきます。もちろん保温力も向上してくれます。1重のもので十分です。私のものはメッシュの裏地がついていたのですが、軽量化のために切り取ってしましました。
3)個人マット Sleeping Mat
冬は一般に雪の上にテントを張りますので、マットは地面からの冷えを遮断する上で重要です。緊急用あるいは登攀ビバークとしてはザックやロープを敷くなどして対応する場合もありますが、基本的には準備が必要です。これは四季を通じて使います。 市販されているもので登山用として最良なのはおそらくカスケードデザインCascade DesignのサーマレストTherm-A-Rest ウルトラライトUltraLiteでしょう。内部にウレタンの入ったエアマットで保温性が高く非常にコンパクトです。よほど身長が高い人を除けば3/4(長さ119cm)のもので十分です。足元はザックなどでカバーします。他には同じくカスケードデザインのリッジレストRidge RestやZレストZ-Restなどが定番でしょう。収納用にストラップやベルクロテープなどがあると便利です。
4)就寝態勢
寒さに応じて着るものを調整しますが、一般には帽子やネックウォーマを被って頭や首からの冷えを防ぎます。よほど寒くなければアウタージャケットやオーバパンツは履かなくていいでしょう。むしろ足元などにかけるといいです。手からも放熱しますので寒くなったときに備えて手袋もシュラフの中に入れて用意しておきます。濡れたものが食事中に乾いていなければ身に付けて「着干し」します。寒さに不安がある人はテルモス Thermosにお茶を用意しておきましょう。(冬山では普通の水筒では凍ります。水は雪を解かして確保します。)革靴の場合は隣の人とのシュラフの間において凍るのを防ぎます(あるいはシュラフに入れる)。

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その7 小物編
ちょっとしたものだけど必要な小物たち
1)ロングスパッツ
膝下までのもの。 アイゼンで破く可能性もあるのでGORETEXである必要はないでしょう。ファスナが丈夫なものがいいです。最近は前にジッパーがあるものが出てますが、これは作業性がいいです。
2)手袋
濡れる可能性が高いので複数必要です。さらに防水性のあるオーバーグラブを用意します。極薄のナイロン手袋はアイゼン装着など細かい作業もできるし、アンダー手袋として便利です。歩行中暑い時はこれ1枚でもOK。私はレオナ66のものを使用してます(さくらや、ダイクマなどに売ってます)。
3)サングラス、ゴーグル
晴天日に雪に反射する紫外線は強烈です。悪くするとまったく目が開けられなくなったり、涙が止まらなくなったりするいわゆる雪目になると言われてます。曇りであっても油断は禁物です。ファッション性だけで紫外線吸収が乏しいものはかえって暗さのため瞳孔が開いてまずい場合があります。
【専門家註】
紫外線による急性角膜上皮障害です。ひらたく言えば、紫外線による角膜のやけど。とにかく痛いですよー。上皮の再生力は強いので、1日痛いけど普通はそれで回復します。by Dr. Isobe
4)日焼け止めクリーム、リップクリーム
前述と同じ理由で必要です。リップクリームは寒気によるひび割れなども防いでくれます。
5)ヘッドランプ
四季を通じて必要なものですが、冬は特に寒さによる電池の劣化があるので注意してください。必ず予備の電池を持ちます。リチウム電池が寒さに強いと言われています。最近は単3リチウムも出ており、重量が2/3ほどで寿命は3倍もあるので雪山向きです。
6)ストック
ピッケルの項でも述べましたが、危険を伴う稜線でなければ、杖としての機能はストックの方が便利です。
7)帽子、目出帽、ネックウォーマ
下着・中間着の項で述べました。
8)テルモス 保温水筒。
雪山では必須。普通の水筒は凍るので役に立ちません。
9)使い捨てカイロ
寒さに不安のある人には就寝時に強い味方になってくれるでしょう。緊急時にも便利なので各人1つくらいは持ちたい。
10)細引き、洗濯バサミ
テント内で濡れた物をぶら下げるのに便利。
11)笛、ナイフ
緊急用に首に下げておきましょう。
12)ハーネス・環付カラビナ(困難なルートの場合)
急峻な雪壁ややせ尾根など危険があればロープと併用して確保する場合もありうる。森林限界を越えなければまず必要ない。

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その8 ザック編
一部を除いて冬用のザックなんてものはありませんが、冬はどうしても荷物が多くなりますのでそれなりの容量が必要です。持っていく荷物の量と期間によって異なりますが、冬合宿で3泊4日程度だと最低でも50Lクラス以上は必要でしょう。一般に呼びが50Lであれば65L程度までは拡張できると思いますが、その点も確認しておきましょう。男性では70Lクラス以上であればほとんどの場合対処できるかと思います。合宿や例会山行の場合は共同装備もありますので、個人装備でぎりぎりではちょっと不足でしょう。●田さんなどは100Lクラスのものを使ってますが、普通の人はそんなに持てないでしょう。
ちなみに筆者はKarrimor の Jaguar GR 70-90Lですが、サイドポケットが比較的大きいので、行動中必要なものがすぐに取り出せて重宝してます。

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その9 雪上歩行(1)編
さあて、道具もそろったし、まずはスノーハイクでもやりましょう。
1)登山靴での登山道の歩行
雪の状態と変化を足で感じましょう。踏み跡は氷結していることが多いの注意しましょう。基本的には氷を避けて雪の上を歩きましょう。あまり推進力を大きくすると滑りやすいので、静荷重をこころがけます。平たく言うと、静かに足を置いて静かに上げます。ストックがあればバランスの補助には役立ちます。
2)登山靴での雪の斜面(登り)
傾斜が増して靴底の全面を置くのが難しくなってきたら、キックステップを行います。膝を中心に足先を雪面に蹴りこみます。雪質が柔らかければ楽ですが、堅くなってくると強く蹴る必要があります。蹴りこみは真っ直ぐとは限りません。傾斜が増してくると直登が辛くなりますので斜めに登りますのでサイドに蹴りこむ場合もあります。
3)アイゼンでの雪の斜面(登り、直登)
さらに傾斜が強くなったり、斜面が長く滑落の可能性が出てくれば、アイゼンを装着します。斜面の途中で着けることは危険も伴いますので、早めの判断が肝要です。ワンタッチアイゼンの場合は出かける前に靴に合わせてレヴァーを調節しておきます。多少堅めにパチンとはまるくらいでないと外れる可能性があります。アイゼンは一旦付けたら1日中そのままで行動することもありますので確実につけてください。立ってつけた方がフィット状態はいいのですが、最初は座ってやってもかまいません。ただし、一度立ってから装着を確認します。
昔はできるだけアイゼンを付けずに登るのが通とされたようですが、今は早め早めに付けて事故を未然に防ぐ方向です。
アイゼンを付けたら爪を引っ掛けないように少し両足を開き気味にして歩きます。基本はフラットフィッティングすなわち総てのアイゼンの爪が雪に刺さるように足をおきますが、傾斜が増してきたら足を平行に運ぶのが難しくなってきます。つま先をハの字に開くとさらに傾斜に対処できます。
さらに傾斜が増すとキックステップが必要な場合が出てきます。堅い雪や氷などでは前爪を蹴りこんで登るいわゆるフロントポインティングの技術がありますが、ふくらはぎの負担が大きいので一般には長くは行いません。実際には直登を止めてジグザグに登る「斜登」に移ります。

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その10 雪上歩行(2)編
4)アイゼンでの雪の斜面(斜登)
傾斜がきつくなって直登が困難になったら、斜めにジグザグに登っていきます。山側の足はほぼ進行方向に平行に、谷側の足はややつま先を開き気味になるのが自然です。このとき山側の手にピッケルを持ち、雪面に刺してバランスを取ります。注意すべきポイントは方向転換です。ピッケルを刺して確保しておいて谷側の足を軸に山側の足の向きを変えます。傾斜がかなりきつい場合には方向転換のポイントを足で馴らして十分な足場をつくる場合もあります。登りではピッケルのピックは前向きにした方が、滑った際にピックを雪面に刺し易い。
5)斜面のトラバース
雪面が斜めになるため足首を柔軟にする。サイドエッジを効かせて雪面に斜めに靴を蹴りこみ気味にするとよい。ピッケルを小刻みに刺して確保する。
6)下降
雪の歩行で難しいのは登りよりも下りです。雪が柔らかければややつま先をあげる感じで踵を雪面に鉛直に落とす要領でステップを作りながら降ります。このとき腰が引けると踵が雪面に刺さらず滑ってしまう。この点はスキーなどと同じです。膝を柔軟にして体の軸を真っ直ぐに保ちます。傾斜がきつくなったり、下方に岩場があるなど、少しでも危険を感じたらアイゼンをつけます。基本的には登りと同様にすべての爪が雪面に刺さるように努めます。急になれば踵落としも有効ですが、氷化している場合には危険なのでよく雪の状況を観察すること。ピッケルのピックは後ろ向きにした方が滑った時ピックを雪面に刺し易い。
さらに傾斜が急になったら部分的に後ろ向きになってピッケルをさしながら「クライムダウン」が必要な場合もあります。

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その11 雪山の危険編
「ここまで散々雪山に誘っといてなんだああ」といわれそうですが、雪山には危険が伴います。ただし多くの場合、対処できる類のものです。備えあれば憂いなし。今回は危険がいっぱいの雪山編です。
1)滑落
雪山での怪我死亡の原因の圧倒的多数を占めています。雪上歩行編でも述べましたが、雪面・氷化の状態をよく見極めましょう。まずは君子危うきに近寄らず、登山道であってもうかつに端に近づかないようにしましょう。特にやせ尾根になっているところは十分注意しましょう。
2)アイゼンと岩場
アイゼンは雪面や土でのグリップ力は強いのですが、岩に乗った場合爪が滑る場合があります。できれば危険のない河原などで岩の上に乗ったらどうなるか体験しておくといいです。シーズン前にアイゼンで沢歩き(経験者は沢登りをやる人もいますが)をするのも練習になるといわれてます。さらに意欲のある人は石垣などを登ってみましょう。前爪で岩に乗る感覚は慣れないと非常に怖いものです。
3)滑落
よく雪上訓練で滑落停止なるものを練習しますが、「滑落を停止すること」にはほとんど役に立たないと思っておきましょう。ほんとに傾斜のある斜面で滑り出したらよほど運がよく、うまくやらないと止まりません。ではなにを練習しているのか?実は「滑落しない」ように練習しています。言い換えると「滑り出す前に止める」ということ。たとえば下りで尻餅をついたと。お尻が滑り出す前に即座にピッケルを突き刺す。
4)雪庇(せっぴ)
稜線の片側に風のために雪が発達したもの。大きなものは10mほどにもなる。人が乗ると当然崩れる。よく見極めて発達しない側を歩きます。不安があるときはロープで確保してピッケルなどで確かめながら進みます。












5)ホワイトアウト
吹雪になると視界が極端に悪くなって、おまけに空と地面の区別がつかなくなります。雪の夜に車を運転した方なら経験があると思いますが、幻惑されてしまいます。下山路も誤りやすい。これを防ぐため赤旗をつけた旗竿などを使ったり、木々に赤テープを巻いたりします。
6)凍傷
風が強くなったら目出帽をかぶるなどして顔を保護しましょう。サングラスも風を防いでくれます。耳にも注意。ちょっとゆだんすると軽い凍傷にはすぐになってしまいます。
足の感覚にも注意。靴紐の締め過ぎは血行を悪くして足先が凍傷になってしまいます。冷たさを感じたらつま先を靴の中で動かして暖めます。靴下が濡れていたら予備に履き替えます。
7)雪崩
雪崩の予測は非常に困難です。基本的に「危うきに近づかず」ですが、どうしても沢筋、谷を通過せざるをえないときは静かに迅速に。パーティは分散します。他にいろいろありすぎるのでここでは割愛します。
8)低体温症
行動中は一般に暑いのですが、休憩中など汗で冷えるので特に注意しましょう。寒さを感じたら早めに着るものを増やして暖かいものを飲みます。低体温症の怖いところは判断力が鈍るところだそうです。雪山に限らずメンバが行動不能に陥ったらパーティ全体が危険に晒されます。体に異常を感じたらパーティのメンバにいち早く伝えましょう。
9)深雪のラッセル
豪雪地帯では一晩に1m以上も雪が積もることはざらです。深雪を進むのは困難を通り越しています。夏なら1時間で通過するところがまる1日かかることもあります。
10)ここまで読んでびびった貴方へ
森林限界を超えるのは止めましょう。森林限界を超えなければ上記の危険のうちほとんどはあわずに済みます。豪雪地帯も避けましょうね。そんなところに行かなくてもそれなりの雪山は楽しめますよ。

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その12 雪山の楽しみ編
前回は危険について述べましたので雪山での楽しみです。
1)幽玄の景色
一面銀世界や岩と雪のコントラストを楽しみましょう。
2)樹氷や「海老の尻尾」など風雪が作り出す造形
言うまでもありません。自然の芸術ですね。
3)雪遊び
本質的に雪遊びが好きなんですな。我々は(^^)/ 雪の中を駆け回ったり、穴掘りして遊んだり! 雪洞生活も体験できます。
4)雪の結晶
ときとして肉眼で判別できるほど大きな雪の結晶を見ることができます。1999年1月阿弥陀岳上部で見ることができました。
5)動物たち
普段見かけない動物たちの足跡やその姿そのものを見ることがあります。ウサギの足跡はしばしば見かけます。西丹沢ではカモシカに出くわしましたし、谷川でも雪の斜面を登るカモシカを見たことがあります。
6)冬ならではの食事
雪山では食料の傷みがないため、普段の山行ではもっていけないような食材を持ち込むことができます。海鮮類や生肉までも保冷状態でもっていけますので寄せ鍋や焼肉なども可能です。一部では邪道と言われながらもブロッケンでもしばしば寄せ鍋を行っています。(山麓までは保冷材を忘れずに)

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その13 生活の知恵編
「生活の知恵」といえば各人いろいろな工夫があろうかと思います。
ではこれまで触れなかった点を少し書いて見ます。
1)手袋のゴム
冬用の手袋は厚いのでそのままで細かい作業をするのは難しいです。そこで付けたり外したりすることになるのですが、うっかり稜線上で落とすとそのまま「さようなら」ということになりかねません。手袋・オーバ手袋など外す可能性のあるものにはすべてゴム紐でループを取り付けておいて手首に通しておけば、落とすこともありません。なお手袋は濡れることが想定されますので必ず予備を持参してください。
2)ベビーオイル
冬になると皮膚が乾燥してかさかさになる人は多いと思います。これに効果があるのに、お風呂上り、シャワーの際にベビーオイルを全身に塗ることがあります。 いちどやればわかると思いますが、水切れが極めて良くバスタオルで簡単にふき取れて体が冷えません。べたべたするように思うかもしてませんが、そんなことはありません。臭いが気になる人は無香料のものを買った方がいいでしょう。 山での主な効果は2つ。ひとつは汗をかいても冷えにくいこと。もうひとつは化繊の衣料による静電気の発生・皮膚の乾燥を防ぎ湿疹などのトラブルを予防します。 気分的にも第2の皮膚を着た気がして、私は雪山に出発する前に儀式としてやってます。やり方のコツは体が濡れた状態でオイルを手にたっぷりと取り、全身に塗り広げます。特に脛などはたっぷりと塗っておきます。塗り終わったらシャワーで余分なオイルを流します。 大きな声では言えませんが、実はもうひとつ大きな利点があります。「股ズレ」を防ぐ効果があります。なぜだかはわかりますよね。
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