アイゼントレーニング-モミソ沢

期間..12月4日(日)
山域..丹沢水無川モミソ沢
形態..アイゼントレーニング
メンバー..9名
コースタイム..
烏尾登山口→懸垂岩9:08→モミソ沢遡行9:20→大滝の手前11:25→大倉尾根13:40→烏尾登山口16:00

ハイグレードハイキング-飯士山

期間..11月13日(日)
天気..曇りのち小雨
メンバー..14名
記録..
越後湯沢集合 8:00
越後湯沢側登山口 9:00
9:56尾根上にて休憩
11:14キレットみたいなところ(赤矢印あり)
11:25休憩
12:04分岐(岩原へ)
12:18分岐
12:24山頂
12:49分岐
16:39林道
17:00ゲート


勉強会-気象

勉強会で使ったマインドマップ
2011-10-5集会で気象に関する勉強会を行いました

秋山縦走B隊

2011年9月17日 (雨)
メンバー 3名
8:00 毛木平
9:25 十文字峠
10:15 大山
11:30 尻岩
12:36 三宝山
13:15 甲武信山頂
13:25 甲武信小屋
2011年9月18日 (晴)
メンバー 3名
7:40 甲武信小屋
8:00 甲武信山頂
11:00 毛木平

秋山縦走A隊

■期間:9月17日(土)~9月19日(月) 2泊3日
■山域:奥秩父/甲武信ヶ岳~金峰山        
■形態・目的:縦走
■ルート:毛木平ー甲武信ヶ岳ー国師ヶ岳ー北奥千丈岳ー金峰山ー廻目平
■メンバー:8名
■コースタイム
<1日目>
毛木平(8:40)~十文字小屋(11:05/11:20)~甲武信ヶ岳(17:00/17:10)~甲武信小屋(17:30)
<2日目>
甲武信小屋(6:10)~甲武信ヶ岳(6:30)~国師ヶ岳(13:50/14:15)~北奥千丈岳(14:30/14:45)~大弛峠(15:25)
<3日目>
大弛峠(6:00)~朝日岳(7:25)~金峰山(8:40/9:25)~川端下林道(11:20)~廻目平(12:20)

2011年度例会山行

2011年4月から2012年3月までの例会山行

4月2日(土)~3日(日) 雪上訓練(中止)
5月3日(火)~5日(木) 春合宿
5月29日(日) RCT/小川山
6月12日(日) 沢山行
6月25日(土) 安全祈願祭
7月10日(日) 遭難対策訓練
8月12日(金)~15日(月) 夏合宿
9月17日(土)~19日(月) 縦走
10月23日(日) RCT(ロッククライミングトレーニング)(中止)
11月13日(日) ハイグレードハイキング
12月4日(日) アイゼントレーニング
12月29日(木)~1月1日(日) 冬合宿
1月21日(土)~22日(日) 冬季登攀/八ヶ岳
2月19日(日) 早春ハイク
3月10日(土)~11日(日) スキー山行

クライミングに行こう

2000年度に月報ケルンに掲載された特集記事をもとにしています。
Vol.1 哲学編

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その1 哲学編

昨年レスキュー講習を受けてから、セルフレスキューについて研究しています。クライミングの現場におけるレスキューとは事故が起こったときのロープワーク が主な内容となりますが、負傷者が動けない場合は大変困難なものとなります。実際のレスキュー方法を調べていくと、作業のしやすい状況、しにくい状況がわ かってきます。万一事故が起こってもレスキューのしやすい確保状態はどのようなものかと考えるうちに、事故が起こってからの対処以前により安全な(すなわ ち致命傷にならない)確保状態そのものを整理することが優先されると考えるようになりました。クライミングの安全はパートナ・チームによるところも大き く、チームとしての共通認識をある程度統一しておく必要があると考えます。当初レスキューの読本としてまとめようと考えたのですが、内容的に難しくかつ、 それ以前に習得すべき内容が多大であることに気づきクライミングの基礎読本としてまとめるべきと判断しました。

と、いうわけで、これからシリーズでクライミングにおける安全性、特に最新の確保技術について論じていきたいと考えます。テーマとすべき内容は安全につい ての考え方、確保の基本と応用、新旧確保技術、そしてセルフレスキューへと繋げていきたいと考えています。ここでは登る行為そのものではなく、確保技術に 焦点を当てていますのでご了承ください。新しい技術や方法についても積極的に論じていきますので、疑問や異論もあろうかと存じます。問題提起ならびに議論 の話題提供となれば幸いです。

言葉については基本的に現在主流となっている英語を使用するものとしますが、一般的に流布しているその他の外国語があれば必要に応じて解説を入れます。


その1)哲学編しゃれて哲学と申しましたが、要はクライミングにおける安全に対する考え方をまずは整理してみたいと考えます。

まず押さえておくべきことは「クライミングは本質的に危険な行為」と いうことです。昨今のフリークライミングブームは多くの開拓者の努力と安全意識の高まりによって、強固なボルトに代表される比較的安全と言われるクライミ ングの場が提供されてきました。「クライミングは安全だ」と強調する人も居ます。しかしながら、確実な確保技術とクライマ自身の適切な判断なくしてはその 安全性ははなはだ疑問です。本来危険という場から始まって、如何にその危険を避け安全を維持するかを考えるべきです。基本となるキーワードを2つ挙げると すれば「冗長性」「簡易性」に尽きると考えます。

冗長性とは、簡単に言えば、二重三重の安全対策が考慮されているということです。言葉を変えると、ひとつのものに頼った確保システムは危険 です。たとえば、ひとつの残置スリング(経歴がわからない)やひとつのピトンやボルトをアンカーにしてトップロープをセットするなどの行為は現在では即危 険行為とみなされます。また、万一失敗しても致命的なトラブルにならないように、あるいは容易にリカバリ(復旧)ができるように最初からバックアップを考 えたシステムを構築すべきです。いまから30年以上前にアポロ11号が月に降り立ちました。安全率を高めるために二重三重の措置が取られており、信頼性を 高めています。仮にひとつのシステムの信頼性が99%で3つの冗長系をなしているとすると総合的な信頼性は  (1-0.01x0.01x0.01)=0.99999999.9999%となります。言い換えると百分の1の危険率が百万分の1になります。

簡易性とは手順や方法が単純で覚えやすく、間違いを犯しにくいということです。しかしながら、これには落とし穴が多く存在します。「人は必ず過ちを犯す」と いう前提に立って入念なチェックを行い、間違いやすい方法、危険が起こりうる方法は排除し、より安全な方法を取るべきです(かつ冗長性を維持する)。職人 技のような高度な技術をマスターしなければ機能しないようなシステムは基本的にとるべきではありません。そしてその技術は常に進化しているという理解で改 善していく姿勢が必要でしょう。

このように考えていくとクライミングそして確保システムは極めて知的好奇心を掻き立てるゲームでもあります。最後に一言、クライミングは自己責任のスポーツです。他人任せにしないで自分の目を養いましょう。他人のセットした支点やシステムに疑問があったら質問しましょう。どうしても納得がいかなかったら改善してもらうか登るのを止めましょう。大怪我してから文句をいっても遅いです。


次回は近年著しく進歩したクライミングに不可欠な道具について論じたいと思います。
(文責 重川)

Vol.2 基本ギア編

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その2 基本ギア編

  さてクライミングを始めようとしたら、最低限必要なものはなにか。それは以下の4点でしょう。
      ① クライミングシューズ
      ② ハーネス
      ③ 確保器・下降器
      ④ 環付カラビナ

  山道具屋にいけば非常に多くの種類のものがあり、選択に迷うことでしょう。お店の人によく相談して買えばよいのですが、当然あなたのクライミングスタ イルがわからなければ最適の道具をすすめるのが難しいのも事実です。ここでは基本であるフリークライミングを始めるにあたって最低限かつ長く使えるという 前提でポイントを述べることにします。

1)クライミングシューズ Climbing Shoes

ファイヴテン ニュートン
  最初に購入する靴は長く履いても足が痛くない程度のものにしましょう。いわゆるアルパイン系のものを選んでおけばアルパインルートやマルチピッチなど の屋外でも対応できます。インドア・シングルピッチのハードフリーしかやらない場合にはややパフォーマンスが落ちるので後で不満を覚えるかもしれません が。靴の場合は個人によって合う合わないがありますので、お店でいろいろ試して見ましょう。


2)ハーネス Harness
ペツル ボニィ

   必ずレッグループのタイプを選びましょう。いわゆるトロールタイプ(ウィランス2000など)のシットハーネスは雪山などではアイゼン を履いたまま付けやすいなどのメリットはありますが、垂壁では落下時反転することが知られており危険ですし、ぶら下がったとき快適ではありません。クライ ミングジムでは使用を断られる場合もあります。

フリー用では男女でモデルが異なるので注意してください。女性用は股上が広くウェストベルトが細めに作られています。ペツルには色もおしゃれな女性用モデルが多いようです。サイズも各種ありますので必ず試着しましょう。
ボニィ(右図) は女性向けにダブルビレーループを採用し、股上の深さを2段階に調整可能。
ブラックダイアモンド・メントール などはレッグループの部分が調整可能なので冬山・アイスクライミングにも使用できるオールマイティのモデルです。


3)確保器・下降器 Belay Devices, Descender
いろいろなモデルがでていますが、確保器としてはチューブタイプのものが扱いやすいです。ひとつ買うなら、もうこれしかないでしょう。
ブラックダイヤモンド・ATC :初心者からベテランまで操作性のよさと信頼性でもっとも広く使われている確保器。このタイプの中では最軽量。下降器としてもロープがキンクしにくく、エイト環より扱いが簡単。最近いろんな色がでています。


ただし、ATC は冬の登攀用としてはお勧めできません。ホールが比較的小さいので手袋をしたままロープを押し込むのにやや苦労します。特にアイスクライミングや湿った雪で使用した場合にはロープが凍りついてホールに入らなくなる可能性があります。

2001年に新発売されたペツルの ルベルソ はホールが大きいのでこの点は改善されています。また、セカンドを確保する場合にセルフロックのモードで使用可能ですので、3人パーティでセカンド2人同時に登るような場合に扱いやすい。
http://www.alteria.co.jp/Sport/D15.htm

4)環付カラビナ Locking Carabiner 
ここで紹介するものはハーネスのビレイループに付けて使用することが目的ですから、洋梨形の大型のものを選んでください。  大きく洋梨形のものは上部のアーチが大きいので、その部分でロープに抵抗を与える使い方(ミュンターあるいはイタリアンヒッチ)を行う際にゲート部で摩擦 を与えることなく使い易い。小さいものは複数のロープやスリングなどを入れにくいし、特に手袋を使うときは操作が煩雑になります。
ペツル ウィリアムボールロック:オートロック機構を備えたロックカラビナ。緑のボールを押さないと開かない2重安全設計。

  上記4点があればとりあえずシングルピッチ(対する言葉はマルチピッチ)のトップロープでのフリークライミングはできます。あとは追々揃えていけばかまいません。
(その他のギア)

5)セルフビレイロープ(スリング)+カラビナ Self-belay Rope, Carabiner インドアやシングルピッチのトップロープでは必要ありませんが、沢登りやマルチピッチでのセルフビレイ(自己確保)に最低1組は必要です。懸垂下降の準備にも欠かせません。手持ちのスリングをその都度ハーネスにつけるよりも、専用のスリング(独シュリンゲ)をあらかじめビレイループ(ハーネスの前にある小ループ)にガースヒッチで取り付けておくとすぐに便利です。他端にはカラビナをつけておきます。(スリングの自作の仕方は後述予定)

6)チョーク・チョークバッグ Chalk, Chalk Bag<
インドアを含むフリークライミングでは滑り止めにチョークを使いますのでチョークバッグチョークは少し登れるようになった ら買ってもいいかと思います。特に夏場は手に汗がついてホールドが滑りやすいのでチョークが欲しくなります。最初に買うチョークは小袋に入ったものにして ください。チョークを粉の状態で直接チョークバッグに入れると飛散するのでの禁止されているクライミングジムもあります。手の大きさにもよりますが、あま り小さなものは手が入りにくいです。

7)ヘルメット Helmet
 言うまでもなく頭部を保護します。インドアやフリーのゲレンデでは使いません。
(文責 重川)

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Vol.3 ロープの結び方初級編

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その3 ロープの結び方初級編
今回はビレイに不可欠なロープの結び方について述べます。

ロープの結び方にはその状況・目的によってさまざまなものがあり、それぞれ利点欠点があります。結び方を覚える際にはその用途をおさえて起きましょう。レ スキューを行うにはかなり多様な結び方を習得する必要がありますが、今回は通常のクライミングで頻繁に使われる基本の結び方を整理します。

1)8の字結び Figure Eight(中間)

メインロープの中間にループを作るものです。ひとえ結び(フューラーノット)も同様の機能がありますが、8の字の方が解き易いとされています。できたループにカラビナをかけて使用します。

2)8の字結び Figure Eight Follow-through (ハーネスへの取り付け)

出来上がりは前記と同じですが、こちらは末端で存在するリングにロープを通してから結びます。ハーネスにロープを結ぶときにもっぱら使われます。結び終わったら必ず結び目を整えて、間違えがないか確認しましょう。最後にひとえ結びで末端処理します。上記の絵ではわかり易いように8の字と離していますが、字際にはぴったりくっつけます。そうしないと緩みます。

3)クローブヒッチ(インクノット)

カラビナにセルフビレイを取るときに使う。緩めて長さを調整するのも簡単。ここで図示した方法は両手で結び目を作る必要があるが、カラビナにロープをかけた状態から片手で結ぶ方法があるのでこれも習得してください(下図)。






4)ロープスリングの作り方
スリング(独シュリンゲ)はクライミングのあらゆる場面で活躍します。補助ロープを基準寸法の2倍に結び目分の30cmを加えた長さだけ用意する。基準と なる60cmのスリングを作るには(60x2+30)=150cm の補助ロープが必要です。太さは6mmが基準ですが、プルージックやオートブロックな どメインロープに絡げて使用する場合は5mmの方がロックしやすい。結び方はダブルフィッシャーマンズ・ノットを使います。



テープスリングを作る場合にはリングベントを使いますが、最近はあらかじめループに縫い合わせたソウンスイングが売られていますので信頼性的にも市販のものをお勧めします。(一般に丸い補助ロープのスリングよりもテープの方が摩擦に強い)
(文責重川)
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Vol.4 ビレイの基本編

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その4 ビレイの基本編

今回はビレイの基本について述べます。
クライマが落下したとき、ビレイヤはとっさの動作が要求されます。そのためできる限りシンプルな動作で確実に確保できる手段を取るべきです。
本題に入る前に言葉の定義を整理しておきます。

アンカ Anchor: 確保支点。ビレイシステムの基本となる絶対に崩れてはならない支点のこと。これが崩れたときはパーティ全体の死を意味するといっても過言ではない。通常複数のボルト・ピトンや強固な立ち木などが使われる。

ランニングビレイ Running Belay: リードを行う際の中間支点。衝撃が大きい場合には崩壊する場合があり、アンカとは明確に区別すべき。

衝撃荷重 Impact: クライマが落下した際にロープ他端や支点にかかる瞬間的な荷重。ランニングビレイには5mの落下で約400kg程度がかかる。

ボディビレイ Body Belay: 体につけたハーネスに確保器 Belay Deviceをつけて確保する方法。有効な衝撃緩和が容易に得られ、いまやリード・フォロを問わずビレイの基本形とされる。

1) リードのビレイ
従来からリードのビレイにはボディビレイが基本とされてきました。それはなぜか。理由は2つあります。1つは衝撃緩和が容易にできること です。人間の体はそれ自体が優れた緩衝体です。そのうえ、ロープの引かれる方向が上方である場合(そのようにシステムを構築すべき)ビレイヤは体が浮き上 がります。この浮き上がるという現象が衝撃緩和になっているのです。落下距離が大きかったり、体重差が大きいと上方に引き上げられますので、特に足場が悪 いテラスなどでは図に示すように下方にアンカを設置します。  リードのビレイの場合にいわゆる支点ビレイ(アンカに確保器をつけてビレイする)を行うことは明らかな間違いです。衝撃緩和ができないだけでなく、落下するとアンカより下方にあった確保器が上方に跳ね上がって落下距離を大きくしてしまいます。確保器の位置が大きく変わるということはビレイヤの予測を超えた事態に陥りやすい---とっさの確保動作が不確実になりがちです。


2) フォローのビレイ
  従来アルパインや沢登りではいわゆる支点ビレイが使われてきました。しかしながらスポーツクライミングの普及とともに現在ではフォロにおいてもボディビレイが主流となっています。必ず図のように一旦カラビナを介してロープの方向を反転してやります。このカラビナをディレクショナル・ビナDirectional Bina(日本では定着した呼び名はありませんが、反転ビナと でもいいましょうか)といいまして、フォロが墜落してもビレイヤは下方に引きずられずにすみます。このことは万一の事故の際のセルフレスキュを容易にする のです。60kgがハーネスにぶら下がることを想像してみてください。ボディビレイにする第1の理由は前述のとおり衝撃緩和です。第2に確保器・ロープの 操作性の問題です。アンカに確保器(ATC・エイト環)をつけてフォロを確保すると、ロープを止めるための引き手はロープを上方に引き上げなければなりません。これは人間工学的に極めて不自然な形であり、とっさのとき力が入りません。唯一この問題を解消できる確保器としてはゼベッタ・ブレーキがありますが、一般的ではありません。また、環付きカラビナだけで確保するムンターヒッチMunter Hitch(イ タリアンヒッチ)は引き手は下方になりますのでヨーロッパではよく使われているようです。ただし、ロープの出し入れはATCよりもやや煩雑にはなります。 さらにボディビレイを推奨する理由として、リードと同じようにビレイできるという単純性です。いつもと同じことをやる分には人間はミスを犯しにくいです。

昔から行われたフォロの確保方法としてグリップビレイというものがありますが、よほど緩傾斜の場合を除いては使用は止めましょう。これは手指の握力だけ でロープをロックするものであり、ロープの弛みが完全に無い状態でないと落下を止めることができません。少しでもロープが流れればたちまち手指を火傷してしまい危険です。緩傾斜でこれを行う場合でも必ず皮手袋をしてください。利点としてはロープの引き上げが早くできるので、セカンドが階段登りのようなルートに追随できる点です。中途半端な状況であれば代案としてセルフロック機能のあるムンターヒッチをお勧めします。
*ムンターヒッチMunter Hitch(イタリアンヒッチ、半マスト)







3)人工壁での危険
次にシングルピッチのフリークライミングの場合を考えてみましょう。スポーツクライニングの普及とともにいまやクライミングは人工壁抜きには語れなくなっ ています。もはや屋外のゲレンデに長期間通いつめる時代ではなく、短期間に集中的にトレーニングすることによってある程度のレベルまで一気に到達するよう になっています。
人工壁の特徴は「支点の安全性」と「足場の良さ」にあると思われます。そのため自然の岩場では許されないようなかなりいいかげんなビレイになりがちですが、そこに落とし穴があります。
壁から離れてビレイする
よく注意してみると、この事例は散見されます。特にランニングビレイを少なくとも2本以上とるまでは壁から離れてビレイすることはグランドフォール(地面に落下すること)の恐れがあり危険です。問題は2つ:
・ ロープの遊びが大きくなる
・ 横方向の力で引きずられる
  遊びが大きいとその分だけロープが伸びます。人間が落ちたときの衝撃はその人の体重よりも何倍も大きなものとなります。クライミングロープは元来衝撃を緩和するために伸びるように作られています。見かけでグランドフォールが有りえないように見えてもロープの伸びによって地面に達する可能性は十分あります。

  人間は2本足で立つ動物ですから、横方向の力には極めて弱いです。特にクライマとビレイヤに体重差がある場合には特に危険です。壁から 離れるということはロープが引かれる方向が横方向になって容易に引きずられます。そのためビレイヤが転んだり、壁に激突してロープを放してしまう事故が発 生しています。人工壁では通常地面にはセルフビレイのための支点がありません。第一ランニングポイントの真下で、しかもクライマが落ちても激突しない位置が正しいビレイヤの位置です。これによって自分の体重を有効に使って確保できます。

壁から離れたビレイの危険
 壁の方に急激に引かれて、壁に激突しそうになったためロープを放してしまう。ビレイヤの体重が軽い場合には特に危険



(文責重川)
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Vol. 5 トップロープの支点編

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その5 トップロープの支点編

今回はトップロープの支点について述べます。Vol.4で用語を整理しましたが、「アンカ」についてもう一度おさえておいてください。

アンカ Anchor: 確保支点。ビレイシステムの基本となる絶対に崩れてはならない支点のこと。これが崩れたときはパーティ全体の死を意味するといっても過言ではない。通常複数のボルト・ピトンや強固な立ち木などが使われる。

1) トップロープとは
トップロープとはシングルピッチのルートで終了点のアンカに設置したカラビナにロープを通し、常にクライマの上方にロープが伸びる状態で確保する方法で す。ロープにたるみが無い限り、クライマの落下はほとんどないため 、初心者の練習や難度の高いルートの練習などに使われます。

2) トップロープの支点
終了点には残置されたスリングや時としてカラビナがありますが、基本的にこれら残置物のみでトップロープをセットしてはいけません。必ず自前のスリング・カラビナを複数使います。残置物はバックアップとして併用することはかまいません。
基本思想として経歴のわからないものを信用しない。ボルト、スリング、カラビナはすべて複数にする(冗長性・バックアップ)。
  ゲレンデには非常によく整備された支点がある場合もあります。たとえば広沢寺の天狗岩中央ルートには右写真のような強固なものがあり、ワイヤでバック アップも取られています。一般にはステンレスのボルトが複数で成り立っているものはほぼ信用していいでしょう。強固に見える鋼製ボルトでも錆の著しいもの は岩の内部が腐って強度が落ちている場合があるので要注意です。

3) 荷重分散
トップロープに限ったことではありませんが、複数のボルト・ピトンなどを使う場合、荷重を分散させて支点破壊のリスクを減らします。2つの支点の場合は流動分散が 良く使われます。手順としてはまず、ボルトそれぞれにカラビナをかけ、スリングをかけます。下図のようにループの片側を1回捻ってから上下をロックカラビ ナでクリップします。こうすれば荷重の方向が変わっても荷重がよく分散されます。ただし、この方法の欠点として万一片方のボルト・ピトンが抜けた場合、他 方に衝撃荷重がかかることです。図内の5に示すのはその欠点を補う方法です(結び目で止まるため衝撃が小さくなる)。

流動分散












注意すべき点は2つの支点と中央のロックカラビナの角度です。この角度は40度以下になるようにしないと荷重を分散したことになりません。















4) ロックカラビナの使用


トップロープに話を戻すと、ロープを付けるカラビナには必ずロックカラビナ Rocking Bina環付きカラビナ)を使用します。無い場合には左図のように2枚のカラビナをゲートの向きを変えて使います。
普通のゲートのカラビナ1枚でトップロープ支点とすることは危険行為として禁じられています。ロープが跳ねて外れる事故が過去に起こっています。
(文責重川)
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ブロッケン山の会 規約

会則

第1条 名称
本会はブロッケン山の会と称する。
第2条 目的
本会は毎月登山の定例会を行い、会員相互の教養を高め親睦を図りながら、山を楽しむことを目的とする。
第3条 性格
本会の性格は、高度の技術を必要とする危険性のある山行は追求せず、登山を楽しむための安全 性のある山行を志向する。
第4条 事業
本会は適宜次の催しを行うものとする。
登山及趣味山行の会
山に関する研究会並びに教育会の集い
第5条 会報・会誌
本会は、会員間の連絡と計画の告知にあてるため、会報あるいは電子媒体等の方法を使用する。
年一回会誌「山んぼ」を発行する。

第6条 遭難対策
・遭難事故を予防するために必要な施策を行う。
・会員は補則に定める要領で入山届・下山届を会に提出しなければならない。
・遭難事故発生時には補則で定める要領で対処する。

第7条 会員
本人の希望と役員会の承認をもって会員となることができる。会員は会則、補則を守らなければならない。
第8条 総会

最高議決機関として総会を置き、定例総会を年度末に開催する。また、役員会の議決または会員の過半数の請求に基づき臨時総会を開くことができる。総会は会員の過半数の出席もしくは委任により成立する。
第9条 名誉会長
会の活動に長年貢献した者を名誉会長として置くことが出来る。
第10条 役員・役員会

本会には役員として会長1名、副会長1名、リーダー若干名、および総務、会計若干名置 くことが出来る。本会の運営、催しは役員会で決定する。
第11条 役員の選出

役員は前役員を含む役員会の推薦による。全役員は総会で承認されなければならない。ただし役員の欠員補充については次回総会までは役員会が任命することができる。
第12条 役員の任務

会長は本会を代表して会務を総理する。副会長は会長を補佐し会長事故ある時は、その職務を代行する。リーダーは山行の企画と推進・後進の育成・遭難対策を行う。各役員は各々会務の執行にあたる
第13条 役員の任期

役員の任期は2ヶ年とする。但し欠員補充による役員の任期は前任者の残任期間とする。尚、再任は妨げないものとする。
第14条 議決

役員の選出、会則の改変、予算案・収支及び事業の報告と予定の承認は、総会に於いて出席者もしくは委任者の過半数の賛同を得て決定する。役員会の議決は役員定員の過半数をもって成立する。
第15条 係

会の運営実務を行うため各係を1名または複数名置くことができる。係は役員会で選任する。
(装備係、山んぼ係、庶務係、山岳保険係、新人募集係、渉外係、名簿係)任期は1年とするが、再任を妨げないし、役員との重任を妨げない。
第16条 会計年度

本会の会計年度は毎年3月1日に始まり、翌年2月末日に終わる。そして年度末には、会計係は該当年度の収支報告をするものとする。
第17条 会計監査役

会計監査役は収支報告について会計監査を行なう。役員会が同役を推薦し総会で承認する。
第18条 専門委員会

特定事項の検討・作業を目的として必要に応じて各専門委員会を設けることが出来る。専門委員は役員会で選任する。また、役員・係との重任を妨げない。( 遭難対策委員会、広報委員会 等)
第19条 会費

本会の会費は別に定める。但し名誉会長は会費を免除する。尚入会金は別に定める。会費は主に
連絡費、装備費、事故費、講習会参加費の補助に使用する。
第20条 福利厚生

会員で慶弔及び事故のあった時は金品を贈与できる。ただし、原則として入会後1年以上経過し
た会員に限る。
第21条 除名

本会会員にして次の一に該当するものは除名する。除名は役員会で決定する。
会費を4ヶ月以上滞納し、かつ支払い意思の無い場合
3ヶ月以上連絡がなく、かつ会の活動への参加意思の無い場合
会則を厳守しない場合
本会の統制を乱した場合
第22条 削除(2015.4.1)
第23条 上部の団体との関係

本会は必要と認めるときは総会の議決により、他の上部団体に加入、脱退する事が出来る。
第24条 改廃

本会則の改廃は役員会に於いて審議し総会の席上で出席会員の過半数の同意を得ればこれをなすことが出来る。
第25条 補則

本会則を補完するために補則を設けることができる。補則は役員会で起案し、総会で承認する。
現在有効な補則は以下のものである。
1)「補則」2002 年 4 月 1 日施行 2011 年 4 月 1 日改定
2)「車両運行規定」1993 年 4 月 1 日施行、 2006 年 4 月 1 日改定
3)「例会山行時の個人山行に関するガイドライン」2006 年 4 月 1 日施行
第26条 施行

 この会則は2018年4月1日から施行する。
 2015年4月1日改訂 2011年4月1日改訂

 補則

(準備中)

blogger

bloggerを複数担当者で投稿(更新)するウェブサイト作りに使い始めて気づいた点

アカウントについて
  • 画像は各担当者のアカウントのpicasaに保存される
  • picasaの無料の容量は1GB(2011-8-23現在)だが800×800ピクセル以内の写真や15分以内の動画はカウントされない
  • 写真のアカウント間での移動方法はあるようだが、先のことを考えるとウェブサイト作り専用のアカウントを作って各担当者に使ってもらうのが良さそう
エディタについて
  • エディタの機能は必要最小限(pタグや見出しタグすら使えない)
  • html編集画面で編集しても通常エディタ画面にするとタグが消えてしまい面倒なことになる可能性が大きい
  • リンクのない画像(imgタグ)が作れない。画像にaタグが必ず付いてしまう
  •  ページ内リンクしにくい
ファイル名について


雪山に行こう

岩、沢、雪山を楽しむにはまず基礎技術、知識の習得が肝心。バリエーションルート初心者用にテキストを作りました。一般的な登山に関する知識をすでに持っている方が対象です。
H12.11.14~12.17 BAC MLより(H14.4月改訂)

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その1下着・中間着編
そろそろ紅葉も終わるころ、穂高は既に雪がついているころです。さあ幽玄の世界に一歩入れば貴方も既に「こちら側の人」(^^; まずは下着・中間着について、冬に限ったことではありませんが、レイヤードが基本です。雪山では暑い寒いが極めて極端に現れます。重い荷物を担いで麓を登っているときは春秋と同じように汗をかきます。そして休憩時には背中に寒気が襲ってきます。実際の行動中は下半身を暖かくして、寒暖は上半身の重ね着で調整します。雪山では風が吹くと恐ろしく寒いので注意が必要です。
今は乾きの早いハイテク下着が安価に手に入りますので、下着にはいいものを買いましょう。あまり厚くないほうが幅広く使えると思います。下着はシャツ・パンツ・ロンジョンの3点セットが必要です。言わずもがなですが、木綿は絶対に不可です。中間着はウールやアクリルなどのシャツやスウェット、下はやはりウールかフリースのロングパンツ。
そしてさらにセータですが、いまはポリエステルのフリースが一般的です。自分の耐寒性を把握していない人は不安でしょうが、必要以上に枚数を持っていくのは荷物を重くするだけです。それよりはいい素材のものを買った方がいいと思います。お金には限度がありますので予算配分を考えなければなりませんが、廉価店の\980フリースとポーラテックPOLATECとではやはり暖かさは違います。フリースのセータは必ず襟の高いものにしてください。頭からかぶるプルオーバよりも前がジッパーで完全に開くものの方が寒暖の調整に幅があります。
寒気は剥き出しになった頭・首筋から侵入します。スキー帽、目出帽、ネックウォーマの3点があればかなり風があっても対処できます。筒状のネックウォーマは歩行中暑い時などには頭にかぶれば、耳は保温して頭のてっぺんから放熱するのでなかなか便利です。
最後に服装とは関係ありませんが、冬はどうしても荷物が多くなります。いまのうちからトレーニングをしておくことをお勧めします。山に行ければ一番いいのですが、普段からエレベータを避けて階段を登ったり、荷物を増やして歩いてみたりして筋力をつけた方が余裕のある山行ができます。少し筋力が付いたら自分が安定して歩ける荷物の限度を把握しておきましょう。

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その2 アウター編
アウターウェアのお話です。アウターシェルという言い方もありますね。つまり外からの風雪から身を守る貝殻のイメージですね。
今は多くの種類のテクニカル・ジャケットがあふれています。比較的価格がいいものはほとんどGORETEXを使っていると思います。このクラスであればほぼ安心です。中綿などが入ったものは中級山岳では暑いことが多いので、避けた方が汎用性は広いです。脇下がジッパーで開くようになっているものは汗を放散し、温度調整が楽です。とにかく行動中ずっと着ているか持っているものですから、重さにも注意を払ってください。
防水透湿素材はGORETEXのほかにもいろいろありますが、機能的には十分だと思います。スペック上多少透湿性が低くても胸元を開けるなどこまめに調整することの方が重要と考えます。
GORETEXを使った雨具を持っている人はそれで十分だと思います。ただ厚着になりますので大きさが十分かどうか、事前にチェックしてください。
GORETEX雨具を嫌って専用ヤッケを使う人もいるようです。理由は蒸れですが、逆に雨に対する不安はあると思います。麓では雨や霙(みぞれ)になることは結構あります。
ちなみに雨や霙は雪よりも性質(タチ)が悪いです。体がどうしても濡れてしまう。夏山秋山で疲労凍死するのはほとんどこのパターンです。濡れには十分気をつけましょう。
これからジャケットなどを買われる方は頭にかぶるフードに注意してください。帽子をかぶってかつ十分に頭・顔を覆えるものが望ましいと思います。風が強いときなどフードで顔が凍るのを防ぐことができます。この辺の話は今泉さんからフォローを期待します。
色は雪に映える色の方が無難ですが、好みで決めていいでしょう。

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その3 冬用山靴編
雪山と他の季節の山で何が違うか。これはもう靴でしょう。
夏山用のトレッキングシューズでは雪山には歯が立ちません(雪の少ない場所のスノーハイクはOKかも)。
基本的には2つに分けられます。
  1. プラスティック・ブーツ
  2. 冬用革靴
プラブーツは堅く防水性を持つシェルと、保温性を担うインナーシューズから成っています。一般的にシェルが堅いため、雪のない道では歩きづらいです。保温性は抜群ですので登攀やラッセルの可能性がある雪山には欠かせません。
反対に冬用革靴はなじむため歩きやすいです。今では皮靴も多様になって「昔ながらの重登山靴」、「冬も使えるトレッキングシューズ」「ハイテク素材のテクニカルシューズ」など多様です。
「冬も使えるトレッキングシューズ」について少し説明します。このクラスではヴィブラムのクルーザスという靴底を使っているものが多いです。 ヴィブラムはご存知イタリアのゴム底メーカで、昔の鋲靴に変わって合成ゴムの靴底を山靴に普及させた功労者です。ビジネスシューズなどにも軽くて快適な靴底として有名です。さて、クルーザスですが、もともとアルプスの氷河歩きを想定して開発されたようです。当然雪に対する滑り止め機能はOKです。また、画期的なのがつま先に溝をつけてワンタッチアイゼンの装着を可能にしていることです。底にはプラスチックのシャンク(従来は鉄の板)が入っているので撓りは抑えられています。このクラスは保温性はそれほど高くないので、行動の停止時には冷えることは否めません。もっともラッセルを伴うような計画でなければ運用しだいで十分使えます。もちろん夏山でも重登山靴として使えますので、冬山の頻度が少ない人はこのクラスがコストパフォーマンスはいいです。クルーザスを使ったモデルはアクのアイガーGTX、シリオの760、ザンバランのチェロトーレなど。クルーザス以外にもやはりハンワグやローバなどにもヴィブラム底でワンタッチアイゼンの付く革靴があります。
「ハイテク素材のテクニカルシューズ」はケイランドやテクニカに代表される新素材を使った新しい靴です。一般に保温材としてシンサレートを使用し、ものによっては皮の代わりにケブラーなどの高張力素材をアウターに使っています。これらはほぼ冬専用とみなすべきでしょう。
これから雪山用の靴を買おうと思っている方は「【絶対に】ワンタッチアイゼンが付けられる靴」にしてください。アイゼンをバンドで締めることは雪山ではかなり厄介です。手袋をはずすわけにはいきません。うまく締めたつもりでも歩行中に外れる例は当会の山行でも散見されています。危険でもあります。さらにアイゼンバンドで締め上げようとすると血行が悪くなる可能性もあります。
さて生活面の知恵ですが、プラブーツの場合テント内ではインナーをはずしてテントシューズとして使います。シュラフの中に入れて寝て、朝起きたらすぐに履きます。これで足を冷やさずにすみます。
革靴の難点は朝の冷たさです。テント内は氷点下になりますので靴をテント内においても凍ります。これは非常に辛いし、少なくとも歩き始めて20分くらいは足先は凍ったままでしょう。これを防ぐには靴ごとシュラフに入れて寝ます。そのための布袋くらいは用意しておきましょう。朝になったらそのままシュラフに入れておきます。朝食後にシュラフから出してすぐ履きます。あるいは起きたときにすぐ靴を履いてしまいます。
手入れですが、プラブーツは汚れを拭く以外は手入れ不要です。ただし、プラスチックの変形を避けるため、薬品や溶剤などから隔離してください。ナフタリンなどの防虫剤も避けた方が無難です。皮靴の場合は手入れに気を使う必要があります。皮が堅い場合にはオイルを塗りますが、柔らかくなりすぎないように注意してください。最初から柔らかい靴の場合はビーワックスの方がいいです。これは蜂のワックスがベースで防水性を向上させます。常温ではグリス状ですが、寒冷になるとロウとなって皮を保護します。SnoWaxなどの商品名で売ってます。ヌバック(裏皮)にも使えますが、塗ると色は黒くなって表皮のようになります。
冬靴を買ったら、一緒にアイゼンとロングスパッツも買いましょう。この件は別項に。 「岳人」や「山と渓谷」には毎年12月号には「冬山用具のアドバイス」が特集されてます。最新の山道具情報はこれら雑誌も参考にしてください。

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その4 アイゼン編
さていよいよアイゼンです。言葉の由来はドイツ語のSteigeisen からきているようです。中国語では主体具愛染(冗談だよ)。フランス語英語ではCrampon クランポンですよね。
種類としては大きく分けて3つほどあります。
  1. 12本爪。前爪が2本大きく突き出しており、堅い雪や氷などに蹴り込めるようになっている。
  2. 軽アイゼン6本または4本爪。前爪無し。靴裏のほぼ全面をカバーしている。
  3. 簡易アイゼン。4本爪など。軽登山靴の土踏まず部分につけるもの。
 ブロッケンの皆さんは当然1)12本爪を購入しましょう。(足の小さい人は10本でも可) 2)3)は夏の雪渓や登山道しか役に立ちません。3)は冬の低山の緊急用には意味があるでしょうが、グリップ面積が狭いので使い方も難しいです。 以下前爪が出た12本爪のアイゼンを前提に話を進めます。靴のところで申しましたように靴が対応していればワンタッチアイゼンを選んでください。 ワンタッチアイゼンにも止め方が2種類あります。前の止具が鉄のリングになって靴のコバに引っ掛けるものと、前がバンドになっていて後ろ側のレバーから出たバンドで締めるものとがあります。ワンタッチアイゼンが付く靴であればどちらでも使えます。後者は特に皮靴で比較的柔らかめのもの(シャンクがあまり堅くない)に有効と言われています。どこの登山店にもおいてあるシャルレのスーパー12ラピッドフィックスを例にとればFIL(プラブーツ)、ベルト(プラブーツ、ハードソールの皮靴)とあり、ラピッドフィックスでない(ワンタッチでない)ものもあります。 アイゼンには用途として、縦走用と氷壁用の2種類があります。 後者はアイスクライミング専用で、前爪はピッケルのピックのようにギザギザの縦爪になっているものが多いです。雪を登れないわけではありませんが、前爪のせん断力が大きすぎて雪を切ってしまいがちです。一般の雪山用としては縦爪のモデルは避けるべきでしょう。それに縦爪は岩などが混じると磨耗が激しいです。基本的にはアイスクライミング用は別にすべきでしょう。 縦走主体だけどアイスも少しやってみたいという方にお奨めなのが、シャルレのブラックアイスだと思います。前爪は横爪で2列目の爪が前方に出ているので氷での安定性もいいです。中間的ですけど。 しかしながら自然が相手ですので必ずしも分けられるものではありません。縦走であっても氷が出現する場合もあれば、逆に氷のルートで雪壁が出現する場合もあるのです アイゼンの例 クリックしてください。いろんなアイゼンがでてきますよ。

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その5 ピッケル編
次はピッケルです。まず部分の名称から。
  • シャフト:長い棒の部分
  • 石突き:【スパイク】【スピッツェ】ともいう。シャフト先端の尖った部分
  • ヘッド:ブレードとピックからなる頭部
  • ブレード:雪を削るための斧の刃になっている部分。アッズともいう
  • ピック:ブレードの反対側の刃の部分。ギザギザの刻みがついている
雪山登山の象徴的な道具ですが、急登ややせ尾根のないコースでは意外と必要ないんですよ。雪質や周りの状況で一定ではありませんが、ピッケルが必要かどうかの判断はこのように考えましょう。
「スキーで滑れればピッケルは要らない。滑るのに危険を感じればピッケルは必要。」

杖としての機能について言えば、樹林帯の登山道や滑落の危険のない平坦な坂くらいではむしろストックの方が使いやすいです。極論すればストックでは間に合わないからピッケルが必要なのです。そのような場所は夏はハイキングルートであっても冬は一部クライミングの分野となるわけです。つまり、手がかりが必要 →ピッケルを雪面に打ち込む。
長さの基本はヘッドを手にぶら下げて踝(くるぶし)程度です。長めが好みでも地面を引きづらないようにしてください。長すぎると腕を常に挙げておかなければなりませんから負担になります。特にピッケルが本当に必要になる急登では必要以上に腕を上げなければなりません。反対に下りではやや長めの方がいいのですが、慣れればそれなりに使えるようになります。
初心者は若干長めの方がいいと言われますが、いつまでも初心者でいるわけはないです。慣れてくると必ず長すぎると感じるようになってきます。「ちょっと短いかな」と感じるくらいでいいと思います。当然身長によって異なりますので長さで論じるのは適当ではありませんが、参考までに;私は身長170cmですが、ぶら下げて地面に届かない長さは70cmまでです。実際には縦走用としては 55cmから65cmくらいが使いやすいように思います。
杖以外のピッケルのメイン機能は2つ。
  1. 雪面でのアンカー
  2. 滑落停止
技術の詳細は別の機会に論じますので今日は割愛しますが、雪壁を登るときも滑落停止にも長すぎるものは取り扱いがしにくいといわれています。 今のピッケルのシャフトはほとんどがアルミ合金でできており、強度も十分です。木製のものもレプリカとして売っていますが、重いし、命を託すには強度的に不安です。ピックは鋼鉄製のものにしましょう。まれにアルミ合金製のものがありますが、強度的には不安です。もちろん山行内容によっては十分使えるでしょう。
ピッケルバンドは必ずつけます肩に襷(たすき)状につける方法と手首につける方法があります。それぞれ利点欠点があるのですが、好みの方法を選んでください。肩に掛ける方法は頻繁に左右の手に持ち替える場合には便利です。私の場合はあまり持ち替えをしませんので手首につけています。スリングで肩掛けバンドを作り、カラビナでリストバンドと繋げば状況に応じて使い分けられます。
さてピッケルを選ぶときはあまり重いものは避けてください。行動中はずっと持っているかザックについているわけですから。例としてシャルレのグロットなんてのはヘッドが研磨されていてカッコいいんですが、いかんせん重過ぎます。私のお勧めとしてはコストパフォーマンスと軽さとカッコよさから、シモンのマスタング、カマロEX、フェネックあたりはいかがでしょうか。実売で\13,000から10,000くらいです。これはあくまで筆者の好みですよ。
ピッケルの例
上記URLを開きピッケルをクリックしてください。
氷壁には専用のピッケル・バイルがあり、ピックなどを交換して兼用できるものもあります。ここでは割愛します。

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その6 幕営具編
今回は幕営に必要なものです。
1)シュラフ Sleeping Bag 4シーズン用のシュラフが基本です。これから購入するのであればダウン(羽毛)のものにしましょう。化繊のものはコストは抑えられますが、どうしても重くなるし、嵩張ります。4シーズン用ではほとんどが「ボックス縫い」か「瓦葺き構造」と呼ばれる縫い目からの放熱が少ない構造になっています。羽毛量だけでなく、この点にも注意してみてください。目安としては-15か-20℃対応であれば十分です。
既にお持ちの3シーズン用を生かすのであれば、夏専用の薄いダウンシュラフやインナー(モンベルなどにあり)を重ね、シュラフカバーを使えばよほど寒いところを除けば対応できると思います。 2)シュラフカバーSleeping Bag Cover
GoreTexのものが全盛です。冬とはいえ、結構汗をかきますので防水透湿性のものがよいでしょう。第一の目的は濡れの防止です。羽毛は濡れにはあまり強くありません。冬のテント内では天井から霜が降ってきます。もちろん保温力も向上してくれます。1重のもので十分です。私のものはメッシュの裏地がついていたのですが、軽量化のために切り取ってしましました。
3)個人マット Sleeping Mat
冬は一般に雪の上にテントを張りますので、マットは地面からの冷えを遮断する上で重要です。緊急用あるいは登攀ビバークとしてはザックやロープを敷くなどして対応する場合もありますが、基本的には準備が必要です。これは四季を通じて使います。 市販されているもので登山用として最良なのはおそらくカスケードデザインCascade DesignのサーマレストTherm-A-Rest ウルトラライトUltraLiteでしょう。内部にウレタンの入ったエアマットで保温性が高く非常にコンパクトです。よほど身長が高い人を除けば3/4(長さ119cm)のもので十分です。足元はザックなどでカバーします。他には同じくカスケードデザインのリッジレストRidge RestやZレストZ-Restなどが定番でしょう。収納用にストラップやベルクロテープなどがあると便利です。
4)就寝態勢
寒さに応じて着るものを調整しますが、一般には帽子やネックウォーマを被って頭や首からの冷えを防ぎます。よほど寒くなければアウタージャケットやオーバパンツは履かなくていいでしょう。むしろ足元などにかけるといいです。手からも放熱しますので寒くなったときに備えて手袋もシュラフの中に入れて用意しておきます。濡れたものが食事中に乾いていなければ身に付けて「着干し」します。寒さに不安がある人はテルモス Thermosにお茶を用意しておきましょう。(冬山では普通の水筒では凍ります。水は雪を解かして確保します。)革靴の場合は隣の人とのシュラフの間において凍るのを防ぎます(あるいはシュラフに入れる)。

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その7 小物編
ちょっとしたものだけど必要な小物たち
1)ロングスパッツ
膝下までのもの。 アイゼンで破く可能性もあるのでGORETEXである必要はないでしょう。ファスナが丈夫なものがいいです。最近は前にジッパーがあるものが出てますが、これは作業性がいいです。
2)手袋
濡れる可能性が高いので複数必要です。さらに防水性のあるオーバーグラブを用意します。極薄のナイロン手袋はアイゼン装着など細かい作業もできるし、アンダー手袋として便利です。歩行中暑い時はこれ1枚でもOK。私はレオナ66のものを使用してます(さくらや、ダイクマなどに売ってます)。
3)サングラス、ゴーグル
晴天日に雪に反射する紫外線は強烈です。悪くするとまったく目が開けられなくなったり、涙が止まらなくなったりするいわゆる雪目になると言われてます。曇りであっても油断は禁物です。ファッション性だけで紫外線吸収が乏しいものはかえって暗さのため瞳孔が開いてまずい場合があります。
【専門家註】
紫外線による急性角膜上皮障害です。ひらたく言えば、紫外線による角膜のやけど。とにかく痛いですよー。上皮の再生力は強いので、1日痛いけど普通はそれで回復します。by Dr. Isobe
4)日焼け止めクリーム、リップクリーム
前述と同じ理由で必要です。リップクリームは寒気によるひび割れなども防いでくれます。
5)ヘッドランプ
四季を通じて必要なものですが、冬は特に寒さによる電池の劣化があるので注意してください。必ず予備の電池を持ちます。リチウム電池が寒さに強いと言われています。最近は単3リチウムも出ており、重量が2/3ほどで寿命は3倍もあるので雪山向きです。
6)ストック
ピッケルの項でも述べましたが、危険を伴う稜線でなければ、杖としての機能はストックの方が便利です。
7)帽子、目出帽、ネックウォーマ
下着・中間着の項で述べました。
8)テルモス 保温水筒。
雪山では必須。普通の水筒は凍るので役に立ちません。
9)使い捨てカイロ
寒さに不安のある人には就寝時に強い味方になってくれるでしょう。緊急時にも便利なので各人1つくらいは持ちたい。
10)細引き、洗濯バサミ
テント内で濡れた物をぶら下げるのに便利。
11)笛、ナイフ
緊急用に首に下げておきましょう。
12)ハーネス・環付カラビナ(困難なルートの場合)
急峻な雪壁ややせ尾根など危険があればロープと併用して確保する場合もありうる。森林限界を越えなければまず必要ない。

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その8 ザック編
一部を除いて冬用のザックなんてものはありませんが、冬はどうしても荷物が多くなりますのでそれなりの容量が必要です。持っていく荷物の量と期間によって異なりますが、冬合宿で3泊4日程度だと最低でも50Lクラス以上は必要でしょう。一般に呼びが50Lであれば65L程度までは拡張できると思いますが、その点も確認しておきましょう。男性では70Lクラス以上であればほとんどの場合対処できるかと思います。合宿や例会山行の場合は共同装備もありますので、個人装備でぎりぎりではちょっと不足でしょう。●田さんなどは100Lクラスのものを使ってますが、普通の人はそんなに持てないでしょう。
ちなみに筆者はKarrimor の Jaguar GR 70-90Lですが、サイドポケットが比較的大きいので、行動中必要なものがすぐに取り出せて重宝してます。

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その9 雪上歩行(1)編
さあて、道具もそろったし、まずはスノーハイクでもやりましょう。
1)登山靴での登山道の歩行
雪の状態と変化を足で感じましょう。踏み跡は氷結していることが多いの注意しましょう。基本的には氷を避けて雪の上を歩きましょう。あまり推進力を大きくすると滑りやすいので、静荷重をこころがけます。平たく言うと、静かに足を置いて静かに上げます。ストックがあればバランスの補助には役立ちます。
2)登山靴での雪の斜面(登り)
傾斜が増して靴底の全面を置くのが難しくなってきたら、キックステップを行います。膝を中心に足先を雪面に蹴りこみます。雪質が柔らかければ楽ですが、堅くなってくると強く蹴る必要があります。蹴りこみは真っ直ぐとは限りません。傾斜が増してくると直登が辛くなりますので斜めに登りますのでサイドに蹴りこむ場合もあります。
3)アイゼンでの雪の斜面(登り、直登)
さらに傾斜が強くなったり、斜面が長く滑落の可能性が出てくれば、アイゼンを装着します。斜面の途中で着けることは危険も伴いますので、早めの判断が肝要です。ワンタッチアイゼンの場合は出かける前に靴に合わせてレヴァーを調節しておきます。多少堅めにパチンとはまるくらいでないと外れる可能性があります。アイゼンは一旦付けたら1日中そのままで行動することもありますので確実につけてください。立ってつけた方がフィット状態はいいのですが、最初は座ってやってもかまいません。ただし、一度立ってから装着を確認します。
昔はできるだけアイゼンを付けずに登るのが通とされたようですが、今は早め早めに付けて事故を未然に防ぐ方向です。
アイゼンを付けたら爪を引っ掛けないように少し両足を開き気味にして歩きます。基本はフラットフィッティングすなわち総てのアイゼンの爪が雪に刺さるように足をおきますが、傾斜が増してきたら足を平行に運ぶのが難しくなってきます。つま先をハの字に開くとさらに傾斜に対処できます。
さらに傾斜が増すとキックステップが必要な場合が出てきます。堅い雪や氷などでは前爪を蹴りこんで登るいわゆるフロントポインティングの技術がありますが、ふくらはぎの負担が大きいので一般には長くは行いません。実際には直登を止めてジグザグに登る「斜登」に移ります。

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その10 雪上歩行(2)編
4)アイゼンでの雪の斜面(斜登)
傾斜がきつくなって直登が困難になったら、斜めにジグザグに登っていきます。山側の足はほぼ進行方向に平行に、谷側の足はややつま先を開き気味になるのが自然です。このとき山側の手にピッケルを持ち、雪面に刺してバランスを取ります。注意すべきポイントは方向転換です。ピッケルを刺して確保しておいて谷側の足を軸に山側の足の向きを変えます。傾斜がかなりきつい場合には方向転換のポイントを足で馴らして十分な足場をつくる場合もあります。登りではピッケルのピックは前向きにした方が、滑った際にピックを雪面に刺し易い。
5)斜面のトラバース
雪面が斜めになるため足首を柔軟にする。サイドエッジを効かせて雪面に斜めに靴を蹴りこみ気味にするとよい。ピッケルを小刻みに刺して確保する。
6)下降
雪の歩行で難しいのは登りよりも下りです。雪が柔らかければややつま先をあげる感じで踵を雪面に鉛直に落とす要領でステップを作りながら降ります。このとき腰が引けると踵が雪面に刺さらず滑ってしまう。この点はスキーなどと同じです。膝を柔軟にして体の軸を真っ直ぐに保ちます。傾斜がきつくなったり、下方に岩場があるなど、少しでも危険を感じたらアイゼンをつけます。基本的には登りと同様にすべての爪が雪面に刺さるように努めます。急になれば踵落としも有効ですが、氷化している場合には危険なのでよく雪の状況を観察すること。ピッケルのピックは後ろ向きにした方が滑った時ピックを雪面に刺し易い。
さらに傾斜が急になったら部分的に後ろ向きになってピッケルをさしながら「クライムダウン」が必要な場合もあります。

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その11 雪山の危険編
「ここまで散々雪山に誘っといてなんだああ」といわれそうですが、雪山には危険が伴います。ただし多くの場合、対処できる類のものです。備えあれば憂いなし。今回は危険がいっぱいの雪山編です。
1)滑落
雪山での怪我死亡の原因の圧倒的多数を占めています。雪上歩行編でも述べましたが、雪面・氷化の状態をよく見極めましょう。まずは君子危うきに近寄らず、登山道であってもうかつに端に近づかないようにしましょう。特にやせ尾根になっているところは十分注意しましょう。
2)アイゼンと岩場
アイゼンは雪面や土でのグリップ力は強いのですが、岩に乗った場合爪が滑る場合があります。できれば危険のない河原などで岩の上に乗ったらどうなるか体験しておくといいです。シーズン前にアイゼンで沢歩き(経験者は沢登りをやる人もいますが)をするのも練習になるといわれてます。さらに意欲のある人は石垣などを登ってみましょう。前爪で岩に乗る感覚は慣れないと非常に怖いものです。
3)滑落
よく雪上訓練で滑落停止なるものを練習しますが、「滑落を停止すること」にはほとんど役に立たないと思っておきましょう。ほんとに傾斜のある斜面で滑り出したらよほど運がよく、うまくやらないと止まりません。ではなにを練習しているのか?実は「滑落しない」ように練習しています。言い換えると「滑り出す前に止める」ということ。たとえば下りで尻餅をついたと。お尻が滑り出す前に即座にピッケルを突き刺す。
4)雪庇(せっぴ)
稜線の片側に風のために雪が発達したもの。大きなものは10mほどにもなる。人が乗ると当然崩れる。よく見極めて発達しない側を歩きます。不安があるときはロープで確保してピッケルなどで確かめながら進みます。












5)ホワイトアウト
吹雪になると視界が極端に悪くなって、おまけに空と地面の区別がつかなくなります。雪の夜に車を運転した方なら経験があると思いますが、幻惑されてしまいます。下山路も誤りやすい。これを防ぐため赤旗をつけた旗竿などを使ったり、木々に赤テープを巻いたりします。
6)凍傷
風が強くなったら目出帽をかぶるなどして顔を保護しましょう。サングラスも風を防いでくれます。耳にも注意。ちょっとゆだんすると軽い凍傷にはすぐになってしまいます。
足の感覚にも注意。靴紐の締め過ぎは血行を悪くして足先が凍傷になってしまいます。冷たさを感じたらつま先を靴の中で動かして暖めます。靴下が濡れていたら予備に履き替えます。
7)雪崩
雪崩の予測は非常に困難です。基本的に「危うきに近づかず」ですが、どうしても沢筋、谷を通過せざるをえないときは静かに迅速に。パーティは分散します。他にいろいろありすぎるのでここでは割愛します。
8)低体温症
行動中は一般に暑いのですが、休憩中など汗で冷えるので特に注意しましょう。寒さを感じたら早めに着るものを増やして暖かいものを飲みます。低体温症の怖いところは判断力が鈍るところだそうです。雪山に限らずメンバが行動不能に陥ったらパーティ全体が危険に晒されます。体に異常を感じたらパーティのメンバにいち早く伝えましょう。
9)深雪のラッセル
豪雪地帯では一晩に1m以上も雪が積もることはざらです。深雪を進むのは困難を通り越しています。夏なら1時間で通過するところがまる1日かかることもあります。
10)ここまで読んでびびった貴方へ
森林限界を超えるのは止めましょう。森林限界を超えなければ上記の危険のうちほとんどはあわずに済みます。豪雪地帯も避けましょうね。そんなところに行かなくてもそれなりの雪山は楽しめますよ。

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その12 雪山の楽しみ編
前回は危険について述べましたので雪山での楽しみです。
1)幽玄の景色
一面銀世界や岩と雪のコントラストを楽しみましょう。
2)樹氷や「海老の尻尾」など風雪が作り出す造形
言うまでもありません。自然の芸術ですね。
3)雪遊び
本質的に雪遊びが好きなんですな。我々は(^^)/ 雪の中を駆け回ったり、穴掘りして遊んだり! 雪洞生活も体験できます。
4)雪の結晶
ときとして肉眼で判別できるほど大きな雪の結晶を見ることができます。1999年1月阿弥陀岳上部で見ることができました。
5)動物たち
普段見かけない動物たちの足跡やその姿そのものを見ることがあります。ウサギの足跡はしばしば見かけます。西丹沢ではカモシカに出くわしましたし、谷川でも雪の斜面を登るカモシカを見たことがあります。
6)冬ならではの食事
雪山では食料の傷みがないため、普段の山行ではもっていけないような食材を持ち込むことができます。海鮮類や生肉までも保冷状態でもっていけますので寄せ鍋や焼肉なども可能です。一部では邪道と言われながらもブロッケンでもしばしば寄せ鍋を行っています。(山麓までは保冷材を忘れずに)

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その13 生活の知恵編
「生活の知恵」といえば各人いろいろな工夫があろうかと思います。
ではこれまで触れなかった点を少し書いて見ます。
1)手袋のゴム
冬用の手袋は厚いのでそのままで細かい作業をするのは難しいです。そこで付けたり外したりすることになるのですが、うっかり稜線上で落とすとそのまま「さようなら」ということになりかねません。手袋・オーバ手袋など外す可能性のあるものにはすべてゴム紐でループを取り付けておいて手首に通しておけば、落とすこともありません。なお手袋は濡れることが想定されますので必ず予備を持参してください。
2)ベビーオイル
冬になると皮膚が乾燥してかさかさになる人は多いと思います。これに効果があるのに、お風呂上り、シャワーの際にベビーオイルを全身に塗ることがあります。 いちどやればわかると思いますが、水切れが極めて良くバスタオルで簡単にふき取れて体が冷えません。べたべたするように思うかもしてませんが、そんなことはありません。臭いが気になる人は無香料のものを買った方がいいでしょう。 山での主な効果は2つ。ひとつは汗をかいても冷えにくいこと。もうひとつは化繊の衣料による静電気の発生・皮膚の乾燥を防ぎ湿疹などのトラブルを予防します。 気分的にも第2の皮膚を着た気がして、私は雪山に出発する前に儀式としてやってます。やり方のコツは体が濡れた状態でオイルを手にたっぷりと取り、全身に塗り広げます。特に脛などはたっぷりと塗っておきます。塗り終わったらシャワーで余分なオイルを流します。 大きな声では言えませんが、実はもうひとつ大きな利点があります。「股ズレ」を防ぐ効果があります。なぜだかはわかりますよね。
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北八ツ小唄

(「お座敷小唄」のメロディで)

スッチャン チャカチャチャチャ
スッチャン チャカチャチャチャ

八ツの高嶺に降る雪も 娑婆の酒場に降る雪も
雪に変わりはないじゃなし 溶けて流れりゃみな同じ

好きで好きで大好きで 死ぬ程好きなお山でも
仕事という字にゃ勝てやせぬ 泣いてあきらめ蝶が岳

山にしばらく来ないとて 短気おこしてヤケ酒を
飲んでからだをこわすなよ 体力あっての山だから

一度来てから好きになり ほどの良いのにほだされて
登って泊まっているうちに 忘れられない山となり

どうかしたかと立ち止まり どうもしないと振り返り
目にはいっぱい泪ため 山にしばらく来ないから

山は北八ツ高見石 唄の文句じゃないけれど
お金も着物もいらないわ お山登りがしたいのよ

/KM(2005-12-20 MLより)

膝痛

(~三善英史「雨」のメロディで~)

雨に濡れながら 山行くひとがいる
秋の谷川の 土曜の昼下がり
計画したコースだけが 心にひっかかる
道ゆくひとは誰ひとりも 見向きもしない
山はいつの日も 苦しいものだから
膝が痛いのは 黙って歩いてた・・・

雨にうたれても まだ行くひとがいる
ひとの数が減る 土曜の昼下がり
計画したコースだけを 心にかみしめて
追い越すひとに小突かれても 怒りはしない
山はいつの日も 苦しいものだから
じっと耐えるのが つとめと信じてる・・・

計画したコースだけが 涙によみがえる
道ゆくひとが哀れんでも 答えもしない

山はいつの日も 苦しいものだから
膝が痛いのは 黙って歩いてた・・・

/KM(2005-11-27 MLより)

シリセード

(「スキー」のメロディで)

槍は残雪 注目浴びて すべるお尻の風切るはやさ
登りはつらいけど 下りは楽よ
おおぉ シリセード 病みつきになる

/KM(2005-11-27 MLより)

岩にうまく登れない

(井上陽水「ダンスはうまく踊れない」のメロディで)

岩にうまく登れない あまり夢中になれなくて
リードはすいすいと登り 私それをながめてる
秋の午後はすでに暗く寒く 上に見えるガバは遥か遠く
誰も来ないし 誰も知らない

ひとりきりでは岩にうまく登れない 遠いビレイ点のテラス
私岩にへばりついて かなりひきつった笑顔で
足を上に右に下に左 指と腕の痺れこらえながら
時を忘れて 岩の途中で

ラララ ララララ・・・・

今度ひとりで岩にうまく登りたい 小川山々の岩場を
私新米のクライマー くつはおろしたてボレール
部屋の中で黒いくつをはいて 揺れる揺れる心夢に揺れる
仕事忘れて 岩の間を

ドゥドゥドゥ ダダダダ・・・・

/KM(2005-11-27 MLより)

アタックNo.1

苦しくったって、悲しくったって
やーまの中では平気なの
落がうなーると胸が凍るわ
ダブルアックス、蹴り込む
ワンツーワンツーアタック
だけど涙が出ちゃう、雪目なんだもん
涙も汗も若いファイトで
青空に遠く叫びたい
アタック、アタック№1
アタック、アタック№1

/SY 山んぼVol.37より

飾りじゃないのよザイルは

(中森明菜 飾りじゃないのよ涙は)
私は巻いたことがない
 たまの休みの沢登り
速い流れに乗っけられても
 急に滝が現れても怖くなかった
赤い布きれがゆれるのを
 不思議な気持ちで見てたけど
私、巻いたりするのは違うと感じてた
私は巻いたことがない
 つめたい沢の真ん中で
古い遡行図食い違ったり
 補助ロープ受けとめたり
  投げ返したり
そしてリーダーが変わるたび
 軟弱山行ふえたけど
私、巻いたりするのは違うと感じてた
飾りじゃないのよザイルは HA HAN
好きだと言ってるじゃないの HO HO
枕じゃないのよザイルは HA HAN
セカンドだけならいいけど
ちょっと厳しすぎるのよトップは

/IY H12.12.28

重量表

食料


品名
単位重量(g)備考
生米1合160
もち1個60佐藤の切り餅
にんじん1本150目安
フランスパン1本(30cm)200
スキムミルク1本16スティック状
紅茶ティーバッグ1個2
インスタントコーヒー1杯分2
ママースパゲティアルデンティーノ1食217
ハウスほんとうふ2丁分65
まるたい棒ラーメン2食分164
すしのこ4~5合分75
そうめん(乾麺)1人前100
フルーチェ4人前200牛乳200cc必要
スライスチーズ10枚入り190
スライスチーズ6枚入り100
コーンフレーク1人前40ちょっと足りないか
砂糖1回分6
インスタントラーメン1個100
生米1合150無洗米がgood

燃料

品名単位重量(g)備考
ガスボンベ大1本700内容量470g
ガスボンベ小1本380内容量230g

燃料消費量の目安

天候、メニューによって変動します。あくまでも目安として考えて下さい。どうでしょう、計算値の1.5倍ぐらい持ってゆけば安心できるかな?
  • 【積雪期】 朝食用+夕食用+融雪用で
    1. ガソリンの場合 1人1日115g(140cc)
    2. ガスの場合 1人1日100g
  • 【夏期】朝食+夕食
    ガス、ガソリンの場合 1人1日70g

うなきゅう寿司

材料(4人分)

  • 紀文のうなぎ2パック×115g(内容量87g)=230g
  • キュウリ2本×100g=200g
  • アルファー米2パック×220g(内容量200g)=440g
  • タマノイすしのこ1袋×40g(内容量35g・米3合用)=40g
  • 白ごま、塩少々
合計920g。1人あたり230g

作り方

きゅうりは薄く輪切りにして塩もみしておく。パック鰻は暖めて適当に切る。ご飯に寿司酢をまぜ白ゴマをふる。以上を混ぜ合わせて出来上がり。

備考

考案者、TM

ロールパンサンド

材料(4人分)

  • バターロール12個×30g=360g
  • スライスチーズ4枚×20g=80g
  • ジャム100g
  • シーチキン1缶,200g
  • マヨネーズ(ミニチューブ)=50g
  • インスタントスープ4×25g=100g
合計  890g。1人あたり 222g

作り方

好きな物をはさんで食べる

ちからネギラーメン

材料(4人分)

  • インスタントラーメン4×100g=400g
  • もち4×60g=240g
  • チャーシュー,100g
  • 長ネギ1/2本,50g
  • ゴマ油大さじ2杯,30g
  • 一味唐辛子少々
合計820g。1人あたり205g

作り方

長ねぎは白髪ネギ風に細長く切り、チャーシューも細長く切り、ゴマ油、唐辛子を混ぜて、出来上がったラーメンにトッピングする

備考

ラーメンとモチを茹でるコツ。湯が沸いたら同時に投入。たいていモチが先に軟らかくなるので、食器に取り出しておく

コーンフレーク

材料(4人分)

  • コーンフレーク 40g×4=160g
  • スキムミルク 16g×8=128g
  • ドライフルーツ 50g×4=200g
  • ミックスナッツ 20g×4=80g
合計  568g。1人あたり 142g

備考

スキムミルクはたっぷりと、2倍にしてみました
最初から干しぶどうが入っているコーンフレークもあるよ
スキムミルクはお湯で溶いて、暖かいまま食べてもいける
スキムミルクは雪印でスティック状にパックされた物があり使いやすい
ピスタチオは殻あるので不可

スパチュー

材料(4人分)

  • ツナ缶詰1個,220g(アサリ水煮缶でも良い)
  • たまねぎ中1個,150g
  • ニンジン中1個,150g
  • じゃがいも中1個,150g
  • インゲン10本程度,60g(ブロッコリー等でも良い)
  • バター少し,20g
  • クリームシチューのもと(顆粒),80g
  • スパゲティ=400g(マカロニでも良い)
合計1230g。一人あたり307g

作り方

材料の皮をむき、小さく切る。(冬ならばタマネギ・ニンジン・ジャガイモ・インゲンはペミカン)
適当な水を加えて煮る。
材料が煮えたら、スパゲティーを投入。茹で上がる前に一旦火を止めシチューの素を入れ味をみながら煮上げる。最後に缶詰投入。食器によそって粉チーズやドライバジルまたはパセリ などトッピングする。ポイントは麺を入れるタイミングだけ。

備考

考案者、TM

サーモンチャウダー

材料(4人分)

  • サケ水煮缶詰1個,220g(缶込み)
  • インゲン10本程度,60g
  • たまねぎ中1個,150g
  • ニンジン中1個,150g
  • じゃがいも中1個,150g
  • バター少し,20g
  • クノールポタージュスープ1袋,70g
  • 無洗米3合×150g=450g
  • 牛乳(常温保存可能品)200cc=220g
合計1490g。一人あたり約380g

作り方

材料の皮をむき、小さく切る。
バターで炒め、水を加えて材料が煮えたらポタージュスープを溶かす
最後に牛乳、鮭缶詰めを汁ごと入れる

備考

考案者、IY。水煮缶は「紅鮭」は高いが美味い。「カラフトマス」は安いのでそれなりの味。牛乳をスキムミルクに変えれば、もっと軽く なる。この材料で、ポタージュスープをもう一袋使えば6人分ぐらいまでは何とかなる。その場合米は5合になるから総重量は1790gで1人あたり300g

入会案内

 山は楽しい!
仲間がいれば、もっと楽しい!!

  新緑・紅葉のハイキング、お花畑が広がるアルプス縦走、
水とたわむれる沢登り、厳しく美しい雪山、高みを目指すクライミング・・・。
四季折々に変化する日本の山は、春夏秋冬、さまざまな楽しみ方があります。
初心者同士の山登りに限界を感じている人、色々な山登りに挑戦したい人、
私たちと一緒に未知の山の世界に出かけてみませんか!


活動内容について

「安全に、楽しく」をモットーに、春夏秋冬を通してさまざまな山登りを楽しんでいます。
特に挑戦的登攀や遠征指向というような前衛的登山の会ではありません。

●主な山行形態
・ハイキング
・縦走登山
・雪山登山
・沢登り
・フリークライミング
・アルパインクライミング
・山スキー
・トレーニング(岩登り訓練、雪上訓練、遭難対策訓練など)

●例会山行
年度始めに年間スケジュールを計画しています。さまざまな山行・トレーニングなどがあり、それらに年間を通して参加すれば、多様な山行形態を体験できるようになっています。
例会山行の宿泊は基本的にテント泊となりますので、幕営宿泊用具を背負って歩く体力が必要となります。
(2019年度例会山行

初心者・初級者への指導は、日本スポーツ協会の指導員資格をもつ会員をはじめ、経験豊かな会員が指導にあたります。

※会員における日本スポーツ協会公認 指導資格保持者
・山岳マスター上級コーチ   1名
・山岳コーチ           1名
・上級山岳指導員        6名
・山岳指導員           1名
・スポーツクライミング指導員 2名
 (男性9名、女性2名)

●個人山行
会員個人の指向によってそれぞれ好みの形態で行っています。
オールラウンドに活動する会員もいれば、力量に応じて登攀や沢登りなどのバリエーションを志向する人、もっぱら縦走やハイキングを行う人もいてさまざまです。

●集会
毎月2回(水曜日)午後8時より、藤沢市市民活動推進センターにて行います。
例会山行の募集や相談、個人山行等の情報交換など、会員同士のコミュニケーションの場です。また年に数回、集会時に読図、気象、遭難対策などの机上講習会も行っています。

●メーリングリスト
会員を対象にメーリングリストを運用しています。
集会だけでは対応しきれない細かい情報交換に利用され、重要な連絡手段となっています。


入会について

●入会資格
原則として18才以上の男女。(若い方大歓迎!)
登山経験は問いません。山への興味と人並みの体力があれば大丈夫です。
※年齢は40才くらいまでを目安に募集していますが、熱意のある方はご相談ください。
年齢に関するQ&Aをご確認ください

●入会費用
入会にあたっては、下記の費用が必要となります。
入会金・会費 / 入会金3000円、会費600円/月
山岳遭難共済掛金(山岳保険)/5,310円/年 ※タイプSの場合
 会費は共同装備の購入、集会の会場費、事務費、遭難対策積立金などに使用されます。
 山岳保険への加入は、遭難対策の観点から義務化しています。


●お問い合わせ
入会を検討される方は、お問い合わせページのアドレス宛にご連絡ください。
その際、性別、年齢(年代)、簡単な登山経験を添えていただければと思います。
メールをいただきましたら、担当者から集会見学のご案内をしますので、是非一度集会においでください。会の雰囲気を見ていただくと同時に、詳しい説明をいたします。
もちろん、質問・疑問、何でも聞いてください!

※注記
当会はガイド登山を行なっているわけではありません。経験の少ない方には指導しますが、いずれは後輩等に還元していただくことを期待しています。互助精神のないところには信頼関係は生まれません。私たちは「山の仲間」を求めています。

山岳会の疑問について応えるQ&A

お問い合わせ

お問い合わせ等は下記のメールアドレスまでお寄せください。
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